行政書士講座(民法)

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3A

民  法 (物、物権、物権変動 )

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1編総則 4章物
 定義(85条)
 「この法律において「物」とは、有体物をいう」
 不動産及び動産(86条)
 「土地及びその定着物は、不動産とする」
 「2項 不動産以外の物は、すべて動産とする」
 「3項 法改正(R02.04.01削除) 無記名債権は、動産とみなす」
⇒無記名債権については、520条の20により、「記名式所持人払証券の規定は、無記名証券について準用する」ことになり、86条3項は削除となった。
 チョッと補足(立木について)
@立木(りゅうぼく)は土地の定着物であるから不動産である。
A原則として、土地の構成部分とされ、独立した取引の対象とはならない。
Bただし、立木法に基づいて登記することにより、独立した取引の対象となり、対抗要件などの保護を受けることができる。
C立木に関する法律
・立木の定義(立木法1条)
 「立木法に於いて立木と称するは、一筆の土地又は一筆の土地の一部分に生立する樹木の集団にして、其の所有者が本法に依り所有権保存の登記を受けたるものを謂(い)う」
・立木法2条 
 「立木は之を不動産と看做(みな)す」
 「同2項 立木の所有者は土地と分離して立木を譲渡し、又は之を以って抵当権の目的と為すことを得}
 「同3項 土地所有権又は地上権の処分の効力は立木に及ばず」
 ⇒登記済みの立木であれば、土地とは別個の所有権が認められ、対抗要件を備えた取引の対象とすることができる。(民法177条)
D明認方法
 登記がなされていなくとも、古くから認められてきた慣習に従った一定の明認方法を施した場合は、土地とは別個に、対抗要件を備えた取引の対象とすることができる。  
 具体的には、立木の場合、所有者名を木に彫ったり、立て札をかけたりなどによる。
 また、明認方法の対象としては、立木のほかに、未分離の(木になっている)、温泉権などがある。 
 主物及び従物(87条)
 「物の所有者が、その物の常用に供するため、自己の所有に属する他の物をこれに附属させたときは、その附属させた物を従物とする」
 「2項 従物は、主物の処分に従う」
⇒たとえば、主物である建物の従物とはふすま、障子、畳など
 土地の従物とは石灯籠、とりはずしできる庭石など
0' 果実
  天然果実及び法定果実(88条)
 「物の用法に従い収取する産出物を天然果実とする」
 「2項 物の使用の対価として受けるべき金銭その他の物を法定果実とする」
 果実の帰属(89条)
 「天然果実は、その元物から分離する時に、これを収取する権利を有する者に帰属する」
 「2項 法定果実は、これを収取する権利の存続期間に応じて、日割計算によりこれを取得する}
 
   







2編物権 1章総則
1.物権(175条)
 「物権は、この法律その他の法律に定めるもののほか、創設することができない」
○物件の種類
 物件は物に対する権利であり、人が自由に作り出すことはできない。
 民法では、所有権、占有権、地上権、永小作権、地役権、入会権、留置権、先取特権、質権、抵当権の10個のみを認めている。
○物件の排他性
 一つの物に同じ種類の物件が2つ以上成立することはない。
 ⇒債権は平等性を有し、同一債務者に対して同一内容の請求権が複数成立する場合もある。
○物権の絶対性
 特定の者に対してだけでなく、全ての人に対してその権利の実現を妨げないように要求することができる。
 ⇒債権は、相対的な権利であって、特定の者に対してだけその権利の実現を要求できるに過ぎない。
物権的請求権
 物権、中でも所有権は物を自分の好きなように支配(利用、処分など)することができる強い権利であって、その権利が危うい時には、相手方に対して強く対決することができる。(直接的に明文化され規定はない)
 たとえば、
 @返還請求権:不法占拠や盗難などに対して、返せと要求できる。
 A妨害排除請求権:無断で物などを置いているなどの場合、どけろと要求できる。
 B妨害予防請求権:隣地の垣根が崩れそうなときなどは、何とかしろと要求できる。
 なお、占有に対しては、占有保持の訴え(198条)、占有保全の訴え(199条)、占有回収の訴え(200条)などの訴権が明文化されている。
 意思主義(176条)
 「物権の設定及び移転は、当事者の意思表示のみによって、その効力を生ずる」 
 意思表示⇒具体的には契約。契約が成立すれば、その時点で物権は設定され、あるいは移転する。















20
30
 Aは、自己所有の土地につき、Bとの間で賃貸借契約を締結した(賃借権の登記は未了)。
 AがBにこの土地の引渡しをしようとしたところ、この契約の直後にCがAに無断でこの土地を占拠し、その後も資材置場として使用していることが明らかとなった。
 Cは明渡請求に応ずる様子もないため、Aが自己の土地所有権に基づき土地引渡請求をすることは妥当である。

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正しい 誤り
29
31
1
 Aが所有する甲土地の上に、Bが権原なく乙建物を建設してこれをCに譲渡した場合、無権原で乙建物を建設することによってAの土地所有権を侵害したのはBであるから、AはBに対してのみ乙建物の取去を求めることができる。(発展)

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正しい 誤り

3
29
2
 D所有の丙土地上に権原なくE所有の未登記の丁建物が存在し、Eが丁建物を未登記のままFに譲渡した場合、Eは、Dに対して丁建物の収去および丙土地の明渡しの義務を負わない。

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正しい 誤り
29
31
5
 Dが所有する丙土地の上に、Eが権原なく丁建物を建設し、自己所有名義で建物保存登記を行った上でこれをFに譲渡したが、建物所有権登記がE名義のままとなっていた場合、Dは登記名義人であるEに対して丁建物の収去を求めることができる。

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正しい 誤り
30
29
 Aが登記簿上の所有名義人である甲土地をBが買い受ける旨の契約(以下本件売買契約という)をA・B間で締結した。甲土地はAの所有に属していたところ、GがAに無断で甲土地上に建物を築造し、その建物の所有権保存登記をした場合において、本件売買契約により甲土地の所有者となったBは、Gが当該建物の所有権を他に譲渡していたとしても、登記名義がGにある限り、Gに対して当該建物の収去および土地の明渡しを求めることができる。 (29-31-5の類型)

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3
29
1
 A所有の甲土地上に権原なくB所有の登記済みの乙建物が存在し、Bが乙建物をCに譲渡した後も建物登記をB名義のままとしていた場合において、その登記がBの意思に基づいてされていたときは、Bは、Aに対して乙建物の収去および甲土地の明渡しの義務を免れない。 (29-31-5の類型)

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正しい 誤り
29
31
2
 第三者が抵当不動産を不法占有することによって同不動産の交換価値の実現が妨げられ、抵当権者の優先弁済権の行使が困難となるような状態があるときは、抵当権に基づく妨害排除請求権が認められるが、抵当権は占有を目的とする権利ではないため、抵当権者が占有者に対し直接自己への抵当不動産の明渡しを求めることは常にできない。(発展)

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3
29
4
 抵当権設定登記後に設定者が抵当不動産を他人に賃貸した場合において、その賃借権の設定に抵当権の実行としての競売手続を妨害する目的が認められ、賃借人の占有により抵当不動産の交換価値の実現が妨げられて優先弁済請求権の行使が困難となるような状態があるときは、抵当権者は、賃借人に対して、抵当権に基づく妨害排除請求をすることができる。 (29-31-2の発展)

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3
29
5

 動産売買につき売買代金を担保するために所有権留保がされた場合において、当該動産が第三者の土地上に存在してその土地所有権を侵害しているときは、留保所有権者は、被担保債権の弁済期到来の前後を問わず、所有者として当該動産を撤去する義務を免れない。

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3
29
3
 工場抵当法により工場に属する建物とともに抵当権の目的とされた動産が、抵当権者に無断で同建物から搬出された場合には、第三者が即時取得しない限り、抵当権者は、目的動産をもとの備付場所である工場に戻すことを請求することができる。

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正しい 誤り












































2.不動産に関する物権の変動の対抗要件(177条)
 「不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない」 
⇒不動産の物権変動対抗要件とは、
 一つの物を二人に売るというのはおかしな話なのだが、民法ではこのような「二重譲渡」の話がよく出てくる。
 このような場合に、「これは俺の物だ」と主張(対抗)するよりどころとなるのが、177条の不動産物権変動対抗要件すなわち、 「先に登記したものが勝ち」ということ。
⇒その他の登記に関する法律には、立木に関する法律、工場抵当法、鉱業抵当法などがある。
 177条にいう第三者とは(大連判明治41年12月15日)
 「物権変動の当事者もしくはその包括承継人以外の者で、登記の欠缺(けんけつ)を主張するにつき正当な利益を有する者
 すなわち、同一の不動産に関する所有権抵当権等の物権又は賃借権を正当な権原によって取得した者、
 同一の不動産を差押えた債権者もしくはその差押えについて配当加入を申し立てる債権者などをいい、
 これに反して、同一の不動産に関し正当な権原によらずして権利を主張する者
 不法行為によって損害を加えた者などは、第三者と称することはできない」
(1)第三者になり得る者の例
 @二重譲渡の場合の譲受人
 A差押債権者
 B賃借人
 C共有者
(2)第三者にはなり得ない者の例
 @不法行為者(不法占拠、不法破壊者など)
 A無権利者(偽造文書により登記した者など)
 B詐欺や強迫によって登記申請を妨害したもの
 C司法書士など他人のために登記申請する義務を負う者
 D背信的悪意者(買主を困らせるだけで二重買い受けをするなど、著しく信義に反する者)
 仮登記の効力
@仮登記とは、本登記をするのに必要な要件が備わらない場合に、将来の本登記の順位を保つなどのためにあらかじめする登記である。
 仮登記は、あくまでも売買の予約で、売り主が移転登記に協力しない場合や、買い主がまだ所有権を得てはいないが予約者としての権利を確保する必要がある場合などに利用される。
A仮登記はそれだけでは登記としての効力をもたないが、あとで本登記すれば、その本登記の順位は、仮登記の順位によることになる。
16
25
5
 AがBに対しAの所有する不動産を売却した後に、同不動産を重ねてCにも売却した場合において、B、Cのうち、同不動産の引渡しまたは登記の移転を先に受けた方がその所有権を取得する。(基礎)

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12
28
 A所有の甲地がBに譲渡され、さらにAB間の譲渡の事実を知っているCに譲渡されてCに所有権移転登記がされた場合、Bは登記なくしてCに対抗することができる。(16-25-5の応用)

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8
28
3
 Aは自己所有の土地をBに売却したが、Bは、その旨の登記を行っていなかった。その後、CがBの登記がないことのみをもってAから土地の売却を受け、自己名義とした場合、BはCに対して所有権の取得を対抗できない。(12-28-イの類型)

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20
32
3
 AがBに対して自己所有の家屋を売る契約をした場合において、Bが登記を備える前に、AがBへの譲渡を知っているDに対して当該家屋を二重に売ってしまい、登記を移転してしまった場合、Bは、それだけではDに対して債権侵害を理由とする不法行為責任を追及できない。(12-28-イの類型)

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4
28
3
 丙が乙から土地を購入したが、まだその登記が未了である場合において、甲が重ねて乙から譲り受け、丙よりも先に登記したときでも、甲は、丙に対抗できないことがある。(16-25-5の発展)

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17
25
2
 Aの所有する甲土地につきAがBに対して売却した後、Aが重ねて甲土地を背信的悪意者Cに売却し、さらにCが甲土地を悪意者Dに売却した場合に、第一買主Bは、背信的悪意者Cからの転得者であるDに対して登記をしていなくても所有権の取得を対抗できる。(4-28-3の発展)

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4
28
2
 甲は、乙から土地を購入したが、その登記前に丙がその建物を不法占拠した場合、甲は、当該建物について登記がなくても丙に対抗することができる。(応用)

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8
28
2
 Aは自己所有の土地をBに売却したが、Bは、その旨の登記を行っていなかった。この場合、Bは、Bの土地と知りながら不法占拠を開始したCに対して、所有権の取得を対抗できない。(4-28-2の類型)

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12
28
 A所有の甲地がBに譲渡されたが甲地には不法占拠者Cがいた場合、Bは登記なくしてCに対抗することができる。(4-28-2の類型)

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8
28
1
 Aは自己所有の土地をBに売却したが、Bは、Cの詐欺によって登記の申請を妨げられていた。この場合、BはCに対して所有権の取得を対抗できない。(応用)

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22
29
 A・B・Cの3人が、甲土地、乙土地、丙土地のすべてについて、どれも3分の1ずつの持分権をもって共有している場合、甲土地、乙土地および丙土地についてのBおよびCの共有持分権がDに譲渡された場合には、その旨の移転登記がないときでも、Aは、B及びCに対しては甲土地、乙土地および丙土地の分割を請求することができない。

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11
28
4
 Aは、自己所有の土地をBに賃貸し、Bは、当該土地の賃借権の対抗要件を備えていたが、後にAは、当該土地をCに譲渡した。
 この場合、Cは、登記なくしては当該土地の賃貸人たる地位をBに主張できず、Bの賃料の不払を理由として当該土地の賃貸借契約を解除する権利を有しない。(10-30-2の類型)

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12
28
 A所有の甲地がBに譲渡されたが甲地には賃借人Cがいた場谷、Bは登記なくしてCに対抗することができる。(11-28-4の類型)

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25
32
 Aは、B所有の甲土地上にBとの間の土地賃貸借契約に基づいて乙建物を建て、Cとの間の建物賃貸借契約に基づいてCに乙建物を使用させている。その後、乙建物の所有権をAから譲り受けたBは、乙建物についての移転登記をしないときは、Cに対して乙建物の賃料を請求することはできない。(12-28-エの類型)

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10
30
2
 Aは、Bの土地を借り、建物を建て自己名義の登記をした。
 その後、Bは、Aの承諾を得ることなく当該土地と賃貸人の地位をCに譲渡し、登記した。
 この場合、当該土地の譲受人Cは、賃借人Aに対し、賃貸人たる地位を主張することができる。(11-28-4の類型)

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8
28
4
 Aは自己所有の土地をBに売却したが、Bは、その旨の登記を行っていなかった。この場合、Bは、Aに対して債権を有するが、その土地の差押さえを行っていなかった者Cに対して、所有権の取得を対抗できない。(応用)

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8
28
5
 Aは自己所有の土地をBに売却したが、Bは、その旨の登記を行っていなかった。この場合、Bは、何ら実体の権利を有しないのに、登記簿上の名義人となった者Cに対して、所有権の取得を対抗できない。(8-28-4の応用)

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仮登記の対抗力 30
29
 Aが登記簿上の所有名義人である甲土地をBが買い受ける旨の契約(以下本件売買契約という)がA・B間で締結された。甲土地はAの所有に属していたところ、本件売買契約が締結され、B名義での所有権移転の仮登記がされた場合において、Aが甲土地をその事情を知らないFに売却し所有権移転登記をしたときは、Bは本登記をしない限りFに対して所有権の取得を対抗することができない。

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明認方法 29
29
 土地に生育する樹木について、明認方法を施した上で、土地とは独立した目的物として売却することは認められる。(発展)

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時効取得と登記 2.1 時効取得と登記
 A所有の土地をBが善意・無過失で占有を10年続ければ、Bはその土地を時効取得する。
 時効完成前に第三者に譲渡
・時効完成前にAがCに譲渡したとしても、(Cが時効中断をせずに)Bが時効取得すれば、Bにとって、Cは土地の所有者すなわち時効取得による物権変動の当事者であるから、  Bは登記なくしてCに対抗できる
  時効完成後に第三者に譲渡

・時効完成後に、AがCに譲渡した場合、BにとってCは第三者であるから、BとCでは先に登記した方が勝ち。








17
25
3
 Aの所有する甲土地につきAがBに対して売却し、Bは、その後10年以上にわたり占有を継続して現在に至っているが、Bが占有を開始してから5年が経過したときにAが甲土地をCに売却した場合に、Bは、Cに対して登記をしなくては時効による所有権の取得を対抗することはできない。

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正しい 誤り
25
28
2
 不動産を時効により取得した占有者は、取得時効が完成する前に当該不動産を譲り受けた者に対して、登記がなければ時効取得をもって対抗することができない。(17-25-3の類型)

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5
28
1
 Aが所有する甲土地(以下「甲」という)につき、Bの所有権の取得時効が完成し、その後、Bがこれを援用した。この場合、Bの時効完成前に、CがAから甲を買い受けて所有権移転登記を了した場合、Bは、Cに対して、登記なくして時効による所有権取得をもって対抗することができる。(17-25-3の類型)

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正しい 誤り
















12
28
 A所有の甲地につきBの取得時効が完成した後に、Aが甲地をCに譲渡した場合、Bは登記なくしてCに対抗できる。

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正しい 誤り
25
28
3
 不動産を時効により取得した占有者は、取得時効が完成した後に当該不動産を譲り受けた者に対して、登記がなければ時効取得をもって対抗することができず、このことは、その占有者が、その後さらに時効取得に必要な期間、占有を継続したとしても、特段の事情がない限り、異ならない。 (12-28-アの応用)

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5
28
3
 Aが所有する甲土地(以下「甲」という)につき、Bの所有権の取得時効が完成し、その後、Bがこれを援用した。この場合、Bの時効完成後に、EがAから甲を買い受けて所有権移転登記を了した場合、その後さらにBが甲の占有を取得時効の成立に必要な期間継続したときは、Bは、Eに対し時効を援用すれば、時効による所有権取得をもって登記なくして対抗することができる。 (25-28-3の類型)
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25
28
1
 不動産の取得時効の完成後、占有者が登記をしないうちに、その不動産につき第三者のために抵当権設定登記がなされた場合であっても、その占有者が、その後さらに時効取得に必要な期間、占有を継続したときは、特段の事情がない限り、占有者はその不動産を時効により取得し、その結果、抵当権は消滅する。 (25-28-3の発展)
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5
28
4
  Aが所有する甲土地(以下「甲」という)につき、Bの所有権の取得時効が完成し、その後、Bがこれを援用した。この場合、Bの時効完成後に、FがAから甲につき抵当権の設定を受けてその登記を了した場合、Bは、抵当権設定登記後引き続き甲の占有を取得時効の成立に必要な期間継続したときは、BがFに対し時効を援用すれば、Bが抵当権の存在を容認していたなどの抵当権の消滅を妨げる特段の事情がない限り、甲を時効取得し、その結果、Fの抵当権は消滅する。(25-28-1の類型)
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25
28
4
 不動産の取得時効の完成後、占有者が、その時効が完成した後に当該不動産を譲り受けた者に対して時効を主張するにあたり、起算点を自由に選択して取得時効を援用することは妨げられない。

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正しい 誤り

5
28
5
 Aが所有する甲土地(以下「甲」という)につき、Bの所有権の取得時効が完成し、その後、Bがこれを援用した。この場合、Bの時効完成後に、GがAから甲を買い受けて所有権移転登記を了した場合、Bは、Gに対して、登記なくして時効による所有権取得をもって対抗することはできず、その際にBが甲の占有開始時点を任意に選択してその成立を主張することは許されない。 (25-28-4の類型)

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正しい 誤り
背信的悪意者
5
28
2
 Aが所有する甲土地(以下「甲」という)につき、Bの所有権の取得時効が完成し、その後、Bがこれを援用した。この場合において、Bの時効完成後に、DがAから甲を買い受けて所有権移転登記を了した場合、Bは、Dに対して、Dが背信的悪意者であったと認められる特段の事情があるときでも、登記なくして時効による所有権取得を対抗することはできない。

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正しい 誤り
25
28
5
 不動産を時効により取得した占有者は、取得時効が完成した後にその不動産を譲り受けて登記をした者に対して、その譲受人が背信的悪意者であるときには、登記がなくても時効取得をもって対抗することができるが、その譲受人が背信的悪意者であると認められるためには、同人が当該不動産を譲り受けた時点において、少なくとも、その占有者が取得時効の成立に必要な要件を充足していることについて認識していたことを要する。 (令5-28-2の発展)

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2.2 相続と登記
(1)生前に譲渡 
 生前にAに譲渡後死亡し、Bが単独相続人になった場合 
 ・相続人は被相続人の地位を引き継ぐから、Aは登記なくしてBに対抗できる。
 生前にAに譲渡後死亡し、その後単独相続人BがCに譲渡した場合、
 ・CはAにとって第三者にあたる(対抗関係にある)から、先に登記したほうが勝ち。 
(2)共同相続
 ・共同相続の持分に関する限り、共同相続人は、登記なくしても第三者に対抗できる。
 ・遺産分割による取得分は、登記なくしては第三者に対抗できない。
4
28
1
  甲は、乙から土地を購入したが、その登記前に乙が死亡し、乙の相続人丙が相続登記を済ませた場合、甲は、丙に対抗することができる。

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正しい 誤り
18
30
3
 Aは、B所有の甲土地について地上権の設定を受けて、同土地上に乙建物を建築した。Bが死亡し、Bの相続人Dが甲土地を相続した場合に、Aは、甲土地についての地上権登記または乙建物についての保存登記を経由していない限り、Dに対し、Aの甲土地についての地上権を対抗することはできない。 (4-27-1の類型)

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正しい 誤り
17
25
5
 Aの所有する甲土地につきAがBに対して遺贈する旨の遺言をして死亡した後、Aの唯一の相続人Cの債権者DがCを代位してC名義の所有権取得登記を行い、甲土地を差し押さえた場合に、Bは、Dに対して登記をしていなくても遺贈による所有権の取得を対抗できる。

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正しい 誤り
11
28
5
 共同相続人の一人Aが相続を放棄し、他の共同相続人Bが特定の相続不動産の所有権を単独で承継したが、Bが当該不動産の登記を備えないうちに、Aが相続を放棄しなければ得たであろうAの持分に対し、Aの債権者Cが仮差押えをし、登記を備えた。この場合、Bは、当該不動産の所有権をCに対抗できない。

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30
29
 Aが登記簿上の所有名義人である甲土地をBが買い受ける旨の契約(以下「本件売買契約」という)をA・B間で締結した場合において、甲土地は相続によりAおよびEの共有に属していたところ、AがEに無断でAの単独所有名義の登記をしてBとの間で本件売買契約を締結し、Bが所有権移転登記をした場合、Bがその事情を知らず、かつ、過失がないときは、Bは甲土地の全部について所有権を取得する。

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正しい 誤り























2.3 取消・解除と登記
(1)詐欺による取消の場合 
 ・取消前の第三者が善意であれば保護される。
 ・取消後の第三者は背信的悪意者でない限り、先に登記した方が勝ち。
(2)強迫、制限行為能力による取消
 ・取消前の第三者は善意であっても保護されない
 ・取消後の第三者は背信的悪意者でない限り、先に登記した方が勝ち。
(3)解除
 ・解除前の第三者は対抗要件を備えておれば、545条にいう第三者として保護される。
 ・解除後の第三者は単純な対抗問題であり、177条により、先に登記したものが勝つ。
12
28
 A所有の甲地がBに売却され、さらに善意のCに売却された後、AB間の売買契約が詐欺を理由に取り消された場合、Aは登記なくしてCに取消しを対抗することができる。

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正しい 誤り
20
29
1
 AからBに不動産の売却が行われ、BはこれをさらにCに転売したところ、AがBの詐欺を理由に売買契約を取り消した場合に、Cは善意であれば登記を備えなくても保護される。

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正しい 誤り
26
28
2
 Aが自己所有の甲土地をBに売却する旨の契約(以下、「本件売買契約」という)が締結された。その後、AがBの詐欺を理由として本件売買契約を取り消したが、甲土地はすでにCに転売されていた。この場合において、CがAに対して甲土地の所有権の取得を主張するためには、Cは、Bの詐欺につき知らず、かつ知らなかったことにつき過失がなく、また、対抗要件を備えていなければならない。(20-29-1の類型)

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正しい 誤り
11
28
3
  Bは、詐欺によりA所有の不動産をBに売却させ、後にAは、詐欺を理由としてAB間の売買を取り消したが、当該売買の取消し後Aが当該不動産の登記を回復しないうちに、Bは、当該不動産を善意の第三者Cに譲渡し、Cは、当該不動産の登記を備えた。
 この場合、Aは、不動産売買の取消しの効果をCに対抗できない。

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正しい 誤り
20
29
2
 AからBに不動産の売却が行われた後に、AがBの詐欺を理由に売買契約を取り消したにもかかわらず、Bがこの不動産をCに転売してしまった場合に、Cは善意であっても登記を備えなければ保護されない。

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正しい 誤り
20
29
3
 AからBに不動産の売却が行われ、BはこれをさらにCに転売したところ、Bに代金不払いが生じたため、AはBに対し相当の期間を定めて履行を催告したうえで、その売買契約を解除した場合に、Cは善意であれば登記を備えなくとも保護される。

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20
29
5
 AからBに不動産の売却が行われ、BはこれをさらにCに転売したところ、A・Bの取引がA・Bにより合意解除された場合に、Cは善意であっても登記を備えなければ保護されない。

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25
31
 Aが、その所有する土地をBに売却する契約を締結し、その後、Bが、この土地をCに転売した。Bが、代金を支払わないため、Aが、A・B間の売買契約を解除した場合、C名義への移転登記が完了しているか否かに関わらず、Cは、この土地の所有権を主張することができる。(20-29-5の応用)

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20
29
4
 AからBに不動産の売却が行われたが、Bに代金不払いが生じたため、AはBに対し相当の期間を定めて履行を催告したうえで、その売買契約を解除した場合に、Bから解除後にその不動産を買い受けたCは、善意であっても登記を備えなければ保護されない。

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17
25
4
 Aの所有する甲土地につきAがBに対して売却したが、同売買契約が解除され、その後に、甲土地がBからCに売却された場合に、Aは、Cに対して、Cの善意悪意を問わず、登記をしなくては所有権の復帰を対抗することはできない。

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3.登記請求権
 第三者美対抗するためにも、不動産に対する物権は正しく登記されていなければ困る。
 一般に登記は、登記の権利者(登記によって利益を得る者)と義務者が協力して行うものであるが、義務者が協力してくれない場合は、「早く、正しい形で登記してくれ}と請求することになる。
 その際の請求の根拠には、次の3つがあるとされている。
@物権的
 登記請求権
 たとえば、所有権を有しているのに、登記上ではそうなっていないので、物権のもつ効力が妨害されているとして、これを排除するという根拠に基づく
A物権変動的
 登記請求権
 たとえば、所有権は有していないが、物権変動を伴う行為を行った(購入し、転売した)のだから、その動きを正しく登記すべき、という根拠に基づく。
B債権的
 登記請求権

 たとえば、A→B→Cと不動産が売買された場合に、A・B・C間の合意で、直接AからCに対して移転登記をする、というように、当事者間の合意を根拠とする。

17
25
1
 Aの所有する甲土地につきAがBに対して売却した後、Bが甲土地をCに売却したが、いまだに登記がAにある場合に、Bは、甲土地に対する所有権を喪失しているので、Aに対して移転登記を請求することはできない。

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4.動産に関する物権の譲渡の対抗要件(178条)
 「動産に関する物権の譲渡は、その動産の引渡しがなければ、第三者に対抗することができない」

@売買契約が成立した時点で所有権は移転するが、それはあくまでも契約当事者間での話であって、動産の場合、第三者に対しては、「占有している人こそ所有者である」と思われても仕方がない。(不動産の場合は、登記という公示方法がある)
 よって、第三者に対抗するためには、「引渡し」が必要である。
A引渡しには、現実の引渡し簡易の引渡し占有改定指図による占有移転があり、いずれでもよいことにはなっている。
15
28
4
 Aは、BからB所有の絵画を預かっている。
 Bがこの絵画を第三者Dに売却した場合、Dは売買契約のときにこの絵画の所有権を取得し、引渡しを受けていなくてもAに絵画の所有権を対抗することができる。(発展)

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29
3
 Gは自己所有の丙機械をHに寄託し、Hがその引渡しを受けて保管していたところ、GはIに対して丙機械を譲渡した。この場合に、HがGに代って一時丙機械を保管するに過ぎないときには、Hは、G・I間の譲渡を否認するにつき正当な利害関係を有していないので、Iの所有権に基づく引渡しの請求に応じなければならない。(15-28-4の類型)

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29
1
 Aは自己所有の甲機械をBに譲渡したが、その引渡しをしないうちにAの債権者であるCが甲機械に対して差押えを行った。この場合において、Bは、差押えに先立って甲機械の所有権を取得したことを理由として、Cによる強制執行の不許を求めることはできない

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2
 Dは自己所有の乙機械をEに賃貸し、Eはその引渡しを受けて使用収益を開始したが、Dは賃貸借期間の途中でFに対して乙機械を譲渡した。FがEに対して所有権に基づいて乙機械の引渡しを求めた場合には、Eは乙機械の動産賃借権をもってFに対抗することができないため、D・F間において乙機械に関する指図による占有移転が行われていなかったとしても、EはFの請求に応じなければならない。

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4
 Jは、自己所有の丁機械をKに対して負っている貸金債務の担保としてKのために譲渡担保権を設定した。動産に関する譲渡担保権の対抗要件としては占有改定による引渡しで足り、譲渡担保権設定契約の締結後もJが丁機械の直接占有を継続している事実をもって、J・K間で占有改定による引渡しが行われたものと認められる。

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2
28
 動産の譲渡担保権を第三者に対抗するためには目的物の引渡しが必要であるが、この引渡しには、公示性の乏しい占有改定による引渡しは含まれない。(令元29-4の類型)

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 集合動産の譲渡担保に関する対抗要件の過去問はこちらを確認





5.混同(179条)
 「同一物について所有権及び他の物権が同一人に帰属したときは、当該他の物権は、消滅する。ただし、その物又は当該他の物権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない」
 「2項 所有権以外の物権及びこれを目的とする他の権利が同一人に帰属したときは、当該他の権利は、消滅する。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する」
 「3項 前二項の規定は、占有権については、適用しない」