行政書士講座(民法)

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民  法 (無効、取消し、追認、条件、期限、期間)

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1.無効な行為の追認(119条)
 「無効な行為は、追認によっても、その効力を生じない。ただし、当事者がその行為の無効であることを知って追認をしたときは、新たな行為をしたものとみなす」
⇒無効な行為は無効であり、追認しても有効にはならない。
 ただし、無効であることを知っているのにあえて追認したときは、もとの行為が有効になるわけではないが、その時点で新たな行為(申し出、契約など)があったものとみなされる。(最初に遡って有効になるわけではない)  
6
27
 無効の法律行為は、追認することによってその効力を生じる。(基礎)@

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正しい 誤り
2
27
1
 無効な法律行為であっても、当事者が無効であることを知りながら、追認したときは、常に行為の時にさかのぼって効力を生じる。(基礎)@

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正しい 誤り



























2.取消し
2.1 取消権者(120条)法改正(R02.04.01)
 「行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者(他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為にあっては、当該他の制限行為能力者を含む)又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者に限り、取り消すことができる」
⇒改正点は、( )書きの(他の制限行為能力者の法定代理人としてた行為にあっては、当該他の制限行為能力者を含む」を追加したこと。102条ただし書きに対応するためである。
⇒承継人とは相続人など
⇒同意することができる者とは、同意権のある者(たとえば、被保佐人に対する被保佐人、被補助人に対する補助人など。
⇒成年被後見人に対する成年後見人には、同意権はないが、財産に関する法律行為に関する括的代理権があるので(859条)、代理人として取消し可能である。
 「2項 法改正(R02.04.01) 錯誤、詐欺又は強迫によって取り消すことができる行為は、瑕疵ある意思表示をした者又はその代理人若しくは承継人に限り、取り消すことができる」
⇒改正点は、「誤」が「無効」から「取消し可能」に改正されたことに伴って、錯誤を追加。
2.2 取消の効果(121条)法改正(R02.04.01)
 「取り消された行為は、初めから無効であったものとみなす
⇒改正点は、ただし書き「ただし、制限行為能力者は、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う」を削除したこと。(121条の2の3項に移したため)
⇒「初めから無効であったものとみなす」すなわち遡及効があるということ。
 ただし、婚姻の取り消しなどは例外的に、将来に向かってのみ効果がある。
2.3 原状回復の義務(121条の2)法改正(R02.04.01新設)
 「無効な行為に基づく債務の履行として給付を受けた者は、相手方を原状に復させる義務を負う
⇒たとえば、取消しにより売買契約が無効になったが、すでに品物の引渡しと代金の支払いが済んでいる場合は、お互いに返還する義務を負う。
 「同2項 前項の規定にかかわらず、無効な無償行為に基づく債務の履行として給付を受けた者は、給付を受けた当時その行為が無効であること(給付を受けた後に前条の規定により初めから無効であったものとみなされた行為にあっては、給付を受けた当時その行為が取り消すことができるものであること)を知らなかったときは、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う」
⇒たとえば、取消しにより贈与契約が無効になったが、無効であることを知らずに品物をもらった場合は、無効になった時点で現に利益を受けている限度で返還義務を負う。
 一方、無効であることを知っていながら品物をもらった場合は、1項の原状復帰と同じ(浪費した部分も含めて返還する義務を負う)
 「同3項 第1項の規定にかかわらず、行為の時に意思能力を有しなかった者は、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。行為の時に制限行為能力者であった者についても、同様とする」
⇒「制限行為能力者であった者」(旧121条ただし書きからの移動)に加えて、「意思能力を有しなかった者」を追加。
⇒「現に利益を受けている限度において」とは、すでに浪費してしまった部分は返す必要がないが、有益な物に使った場合は、その結果として何らかの利益を得ているであろうから、その部分は返す必要がある。 
2
27
2
 取り消し得る法律行為は、制限行為能力者又は瑕疵ある意思表示をした者に限り取り消すことができる。(基礎)@

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正しい 誤り


















24
27
4
 成年被後見人の法律行為について、成年後見人は、これを取り消し、または追認することができるが、成年被後見人は、事理弁識を欠く常況にあるため、後見開始の審判が取り消されない限り、これを取り消し、または追認することはできない。(基礎)@

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正しい 誤り
16
25
2
 被保佐人Aが、その保佐人Bの同意を得ずにCにAの所有する不動産を売却した場合に、AおよびBは、AC間の売買契約を取り消すことができる。(基礎)@

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正しい 誤り
18
27
5
 制限行為能力者が被補肋人であり、補助人の同意を得なければならない行為を被補助人が補助人の同意を得てした場合であっても、相手方は、制限行為能力を理由として補助人の行為を取り消すことができる。(基礎)@

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正しい 誤り
23
27
 BがAに騙されてAから金銭を借り入れ、CがBの保証人となった場合、CはAの詐欺を理由としてAB間の金銭消費貸借契約を取り消すことができる。(応用)@
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正しい 誤り















2
27
3
 取り消し得る法律行為を取り消したときは、その取消しの時から将来に向かって効力を失う。 (基礎)@
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正しい 誤り
6
27
2
 取り消した法律行為は、取り消した時から効力が消滅する。(2-27-3の類型)@

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正しい 誤り
17
24
 制限行為能力を理由に法律行為が取り消された場合に、制限行為能力者は、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。(基礎)@

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正しい 誤り
23
27
 未成年者であるBが親権者の同意を得ずにAから金銭を借り入れたが、後に当該金銭消費貸借契約が取り消された場合、BはAに対し、受領した金銭につき現存利益のみを返還すれば足りる。(17-24-イの類型)@

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正しい 誤り
18
27
1
 制限行為能力者が自己の行為を取り消したときには、相手方は受け取っていた物を返還しなければならないが、相手方は、制限行為能力を理由とする取消しであることを理由に、現に利益を受けている限度で返還をすれば足りる。(17-24-イの応用)@

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16
25
1
 Aが19歳の時に、その法定代理人Bの同意を得ずにCにAの所有する不動産を売却した場合に、AおよびBは、Aが成年に達したときには、AC間の売買契約を取り消すことはできない。(基礎)@

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正しい 誤り
2
27
4
 取消権は、追認することができる時から5年間これを行わないと消滅する。 (基礎)@

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正しい 誤り
6
27
5
 取消権は、追認をすることができる時から5年間行使しない場合は、時効によって消滅する。(2-27-4の類型) @

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正しい 誤り
26
28
1
 Aが自己所有の甲土地をBに売却する旨の契約(以下「本件売買契約」という)が締結された。この場合において、 AはBの強迫によって本件売買契約を締結したが、その後もBに対する畏怖の状態が続いたので取消しの意思表示をしないまま10年が経過した。このような場合であっても、AはBの強迫を理由として本件売買契約を取り消すことができる。(2-27-4の類型) @

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23
27
 BがAに強迫されて絵画を購入した場合、Bが追認をすることができる時から取消権を5年間行使しないときは、追認があったものと推定される。(2-27-4の類型)@

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正しい 誤り

































3.取消しうべき行為の追認
3.1 取り消すことができる行為の追認(122条) 法改正(R02.04.01)
 「取り消すことができる行為は、120条に規定する者(取消すことができる者)が追認したときは、以後、取り消すことができない
⇒改正点は、ただし書き「ただし、追認によって第三者の権利を害することはできない」を削除。
 (改正前から、ただし書きは無意味であるといわれていた)
⇒「取り消しうべき行為を追認した」ということは、取消権を放棄したということであって、再度、心変わりすることは許されない。 
3.2 取消し及び追認の方法(123条)
  「取り消すことができる行為の相手方が確定している場合には、その取消し又は追認は、相手方に対する意思表示によってする」
3.3 追認の要件(124条) 法改正(R02.04.011項、2項の改正と3項の削除)
  「取り消すことができる行為の追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅し、かつ、取消権を有することを知った後にしなければ、その効力を生じない」
 「2項 次に掲げる場合には、前項の追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅した後にすることを要しない。
@法定代理人又は制限行為能力者の保佐人若しくは補助人が追認をするとき。
A制限行為能力者(成年被後見人を除く)が法定代理人、保佐人又は補助人の同意を得て追認をするとき
⇒改正点は、
1項:追認の要件として、「かつ、取消権を有することを知った後」を追加したこと。(大審院判例に基づく)
2項(いつでも追認できる):
@号は、旧3項から移動させたもの
A号は、「成年被後見人は、行為能力者となった後にその行為を了知したときは、その了知をした後でなければ、追認をすることができない」とあったのを削除し、
 「成年被後見人を除く制限行為能力者が法定代理人、保佐人又は補助人の同意を得て追認をするとき」に。 
3項:削除。
チョッと補足
(1)本人が単独で追認する場合
@原則として取消しの原因が消滅し、かつ、取消権を有することを知った後にしなければ、追認はできない。
・取消しの原因が消滅とは、未成年者が20歳になった、制限行為能力者の能力が回復して行為能力者になった、錯誤だとわかった、詐欺だとわかった、強迫状態から脱したなどの後。 
A法定代理人、保佐人・補助人はいつでも追認できる。
(2)同意を得て追認する場合
・成年被後見人を除く制限行為能力者が法定代理人、保佐人又は補助人の同意を得た場合ばいつでも追認できる
・成年被後見人は、成年後見人に同意権がないので、同意を得ての追認はできない(原則にのっとり、能力が回復して行為能力者となり、取消権を有すると知った後でなければ、追認できない)
⇒「追認」は取消権の放棄であるから、成年被後見人の不利益にならないように、特に慎重に配慮されている。
3.4 法定追認(125条)
 「追認をすることができる時以後に、取り消すことができる行為について次に掲げる事実があったときは、追認をしたものとみなす。
 ただし、異議をとどめたときは、この限りでない」
 @全部又は一部の履行  
 A履行の請求
 B更改
 C担保の供与
 D取り消すことができる行為によって取得した権利の全部又は一部の譲渡
 E強制執行
 ⇒「異議をとどめたとき」とは、例えばやむを得ず借金の一部は支払うが、「取消権は放棄せずに保留しておく」と意思表示すること。
 取消権の期間の制限(126条)
 「取消権は、追認をすることができる時から五年間行使しないときは、時効によって消滅する。
 行為の時から二十年を経過したときも、同様とする」
2
27
5
 取り消し得る法律行為を追認したときは、その追認の時から将来に向かって有効となる。(基礎)@

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正しい 誤り
6
27
3
 取り消すことのできる法律行為を、取消権者が追認したときは、追認した時から将来に向かって有効となる。(2-27-5の類型)@

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正しい 誤り
6
27
4
 追認は、取り消しの原因である状況がやむ前にするものでなければ、効果がない。(基礎)@

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23
27
 BがAに騙されてAから絵画を購入し、これをCに転売した場合、その後になってBがAの詐欺に気がついたとしても、当該絵画を第三者に譲渡してしまった以上は、もはやBはAとの売買契約を取り消すことはできない。(6-27-4の応用)@

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4.条件
 条件が成就した場合の効果(127条)
 「停止条件付法律行為は、停止条件が成就した時からその効力を生ずる」
 「2項 解除条件付法律行為は、解除条件が成就した時からその効力を失う」
 「3項 当事者が条件が成就した場合の効果をその成就した時以前にさかのぼらせる意思を表示したときは、その意思に従う」
チョッと補足
・条件とは、法律行為の効力の発生又は消滅を将来の不確定な事実の成就に関係づけること。
・停止条件:法律行為の効力の発生が、将来の不確定な事実の成就にかかっている場合をいう。
・停止条件付法律行為(127条1項)
 「合格したら、お祝いをあげよう」 
⇒合格するまでは、お祝いをもらえるという効力は停止となっているが、「合格すれば」、停止されていた効力が有効となる。
・解除条件:法律行為の効力の消滅(解除)が、将来の不確定な事実の成就にかかっている場合をいう。
・解除条件付法律行為(127条2項)
 「合格したら、授業料はもう払わない」
⇒合格するまでは授業料を払わなければならないが、「合格すれば」授業料を払う義務は消滅する。
 条件の成就の妨害(130条)
 「条件が成就することによって不利益を受ける当事者が故意にその条件の成就を妨げたときは、相手方は、その条件が成就したものとみなすことができる」
 「同2項 法改正(R02.04.01追加)条件が成就することによって利益を受ける当事者が不正にその条件を成就させたときは、相手方は、その条件が成就しなかったものとみなすことができる」
 不法条件(132条)
 「不法な条件を付した法律行為は、無効とする。不法な行為をしないことを条件とするものも、同様とする」
⇒不法な行為を行うことを停止あるいは解除条件に付した場合は、公序良俗(90条)に反するので、無効とする。
⇒不法な行為を行わないことを停止あるいは解除条件に付した場合も公序良俗(90条)に反するので、無効とする
 不能条件(133条)
 「不能の停止条件を付した法律行為は、無効とする」
⇒実現不能な停止条件(それが実現したら、効力が発生する)を付した場合は、無効とする。
 「同2項 不能の解除条件を付した法律行為は、無条件とする」
⇒実現不能な解除条件(それが実現したら、効力を消滅させる)を付した場合は、無条件に有効とする。
 随意条件(134条
 「停止条件付法律行為は、その条件が単に債務者の意思のみに係るときは、無効とする」
⇒停止条件(それが実現したら、効力が発生する)を付した場合であっても、その実現は債務者の気まぐれにまかされているような条件であれば、無効とする。
 「気が向いたらこれをあげる」という意思表示や契約は無効。
30
28
 A・B間で締結された本件契約に附款がある場合において、本件契約に、経済情勢に一定の変動があったときには当該契約は効力を失う旨の条項が定められている場合、効力の喪失時期は当該変動の発生時が原則であるが、A・Bの合意により、効力の喪失時期を契約時に遡らせることも可能である。@

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30
28
 A・B間で締結された本件契約に附款がある場合において、本件契約が売買契約であり、買主Bが品質良好と認めた場合には代金を支払うとする旨の条項が定められている場合、この条項はその条件の成就が代金債務者であるBの意思のみに係る随意条件であるから無効である。(発展)@

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30
28
 A・B間で締結された本件契約に附款がある場合において、本件契約が金銭消費貸借契約であり、借主Bが将来社会的に成功を収めた場合に返済する旨の条項(いわゆる出世払い約款)が定められている場合、この条項は停止条件を定めたものであるから、Bは社会的な成功を収めない限り返済義務を負うものではない。@

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30
28
 A・B間で締結された本件契約に附款がある場合において、本件契約が農地の売買契約であり、所有権移転に必要な行政の許可を得られたときに効力を生じる旨の条項が定められている場合において、売主Aが当該許可を得ることを故意に妨げたときであっても、条件が成就したとみなされることはない。 @

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正しい 誤り
30
28
 A・B間で締結された本件契約に附款がある場合において、本件契約が和解契約であり、Bは一定の行為をしないこと、Bが当該禁止行為をした場合にはAに対して違約金を支払う旨の条項が定められている場合、Aが、第三者Cを介してBの当該禁止行為を誘発したときであっても、BはAに対して違約金支払の義務を負う。(発展)@

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5.期限
  期限の到来の効果(135条)
 「法律行為に始期を付したときは、その法律行為の履行は、期限が到来するまで、これを請求することができない」
 「2項 法律行為に終期を付したときは、その法律行為の効力は、期限が到来した時に消滅する」
 期限の利益及びその放棄(136条)
 「期限は、債務者の利益のために定めたものと推定する」
 「2項 期限の利益は、放棄することができる。
 ただし、これによって相手方の利益を害することはできない」  
チョッと補足
期限とは、法律行為の効力の発生・消滅又は債務の履行を、将来到来することの確実な事実の発生に関係づけること。
○期限の中でも
 ・将来到来する時期が確定している確定期限と、
 ・将来到来することが確実であってもその時期まではわからない不確定期限がある。
○・今月末日までに返す。  確定期限始期
 ・梅雨が明けたら返す。  不確定期限始期
 ・今月末日まで世話をする。確定期限終期
 ・死ぬまで世話をする。  不確定期限終期
6.期間
 期間の計算の通則(138条)
 「期間の計算方法は、法令若しくは裁判上の命令に特別の定めがある場合又は法律行為に別段の定めがある場合を除き、この章の規定に従う」
 例えば、年齢の計算は「年齢の計算に関する法律[明治35年12月22日施行)による。
 「年齢ハ出生ノ日ヨリ之ヲ起算ス 」
⇒年齢の計算に当たっては、誕生日初日を算入する。
 「民法143条ノ規定ハ年齢ノ計算ニ之ヲ準用ス」
⇒うるう年があってもなくても暦通りの年数を計算し、起算日である誕生日応答日の前日に1歳増える。
・4月1日が誕生日であれば、3月31日に1歳増える。
・1月1日が誕生日であれば、12月31日に1歳増える。
・2月29日が誕生日であれば、2月28日に1歳増える。
・3月1日が誕生日であれば、うるう年であれば2月29日に、うるう年でなければ2月28日に1歳増える。
 期間の起算
 「139条 時間によって期間を定めたときは、その期間は、即時から起算する」
 「140条  日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない。
 ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない」 
⇒原則は、初日不算入(起算日はその日の翌日)
 ただし、予めその日の午前0時から始まることがわかっている場合は初日算入(起算日はその日)
 期間の満了(141条)
 「前条の場合には、期間は、その末日の終了をもって満了する」
⇒期間末日(起算日の応答日の前日)の午後12時に満了
 「142条 期間の末日が日曜日、国民の祝日に関する法律(に規定する休日その他の休日に当たるときは、その日に取引をしない慣習がある場合に限り、期間は、その翌日に満了する」
 暦による期間の計算(143条)
 「週、月又は年によって期間を定めたときは、その期間は、暦に従って計算する」
 「同2項 週、月又は年の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。
 ただし、月又は年によって期間を定めた場合において、最後の月に応当する日がないときは、その月の末日に満了する」
起算日の応答日の前日(の午後12時)に満了
4
27
4
 昭和40年1月1日に生れた者は、昭和59年12月31日午後12時に成年に達した。(基礎)

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正しい 誤り
4
27
1
 うるう年の前年の2月28日に自動車を1年間、貸す約束をしたときは、そのうるう年の2月28日の午後12時に期間は満了する。(応用)

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正しい 誤り
4
27
2
 6月15日に、7月1日からパソコンを4か月間、貸す約束をしたときは、11月1日午後12時に期間は満了する。(4-27-1の応用)

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正しい 誤り
4
27
5
 少なくとも会議の開催日の5日前に会議の開催の通知をすることが義務づけられている場合、民法上、10月20日の会議を開催するのは、10月15日中に開催通知を発しなければならない。(4-27-1の発展))

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正しい 誤り
4
27
3
 10月20日午後11時30分に、ビデオテープを今から36時間貸す約束をしたときは、翌々日の正午に期間は満了する。(応用)

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