行政書士講座(民法)

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民   法 (代 理)

関連過去問 5-27-15-27-25-25-35-27-45-27-509-27-109-27-209-27-309-27-409-27-511-27-111-27-211-27-311-27-411-27-512-27-212-27-412-27-514-27-112-30-314-27-415-27-115-27-215-27-315-27-415-27-515-28-215-28-519-27-319-27-420-28-120-28-220-28-320-28-420-28-521-27-121-27-321-27-421-27-522-35-エ24-28-124-28-224-28-324-28-424-28-528-28-128-28-228-28-328-28-428-28-530-29-イ令元ー28-2令元ー28-3令元ー28-4令元ー28-5

 

 

 

5章法律行為 3節代理
1.代理行為
 代理行為の要件と効果(99条)
 「代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる」
 「同2項 前項の規定は、第三者が代理人に対してした意思表示について準用する」
 代理行為の瑕疵(101条) 法改正(R02.04.01)
 「代理人が相手方に対してした意思表示の効力が意思の不存在、錯誤、詐欺、強迫又はある事情を知っていたこと若しくは知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決するものとする」   

 「同2項 法改正(R02.04.01追加) 相手方が代理人に対してした意思表示の効力が、意思表示を受けた者がある事情を知っていたこと又は知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決するものとする」

 「同3項 法改正(R02.04.01、2項から繰り下げ) 特定の法律行為をすることを委託された代理人がその行為をしたときは、本人は、自ら知っていた事情について代理人が知らなかったことを主張することができない。本人が過失によって知らなかった事情についても、同様とする」
 改正点とポイント
1項:改正点は「代理人が相手方に対してした」を追加し、1項では、 「代理人が相手方に対してした意志表示の効力について」のみ規律していることを明確にした。
・代理人が相手方になした意思表示の際に、意思の不存在、錯誤、詐欺、強迫があったか否かは、代理人がそうであったか(錯誤状態であったか、詐欺、強迫を受けていたか)否かで判断する。
・代理人が相手方になした意思表示が悪意、有過失によるものか否かも、代理人がそうであったか否かで判断する。
・代理人が錯誤により、あるいは詐欺、強迫を受けて相手方になした意思表示は、本条1項に該当し、その効果は本人に帰属するが、本人がこれを取り消しうる。
・代理人が相手方に対して詐欺を働いた場合は、代理人がなした意志表示ではないので1項には該当しない。
2項:「相手方が代理人に対してした意思表示の効力について」、1項とはわけて規律するために、2項を新設した。
・相手方が代理人になした意思表示の効力が、悪意、有過失により影響を受ける場合、悪意・有過失かは代理人がそうであったかどうかで判断する。
・たとえば、相手方が心裡留保で代理人に意思表示をし、それについて代理人が悪意又は有過失であれば、本条2項に該当し、本人が善意であっても、相手方の意思表示は無効である。
・代理人が相手方に対して詐欺を働いた場合、それに対する相手方の意思表示の効力は、代理人により決するようなものではないので、2項には該当しない。
3項:改正点は旧2項からの繰下げおよび、「特定の法律行為をすることを委託された代理人が本人の指図に従ってその行為を」における「本人の指図に従って」を削除。
・代理人が特定の法律行為をしたとき、本人が悪意(知っていた)又は有過失(過失によって知らなかった)事情を代理人は知らなかったと主張することはできない。
・たとえば、売主が無権利であることについて、買主が知っているあるいは知らなかったことに過失がある場合は、買主の代理人が善意・無過失であったとしても、即時取得は成立しない。

 使者と代理
使者  他人がなした意思表示を伝えるだけ。
代理  本人に代わり、自らが独立して意思表示をする。

2 代理人
 代理人の行為能力(102条)法改正(R02.04.01)
 「制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。ただし、制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為については、この限りでない」
 改正点とポイント
 改正点:単に、「代理人は、行為能力者であることを要しない」とあったところ、上記のごとく、全面的に改正」
@制限行為能力者が代理行為を行った場合:原則 
・代理行為の結果の責任は本人がとる(リスクを承知で制限行為能力者を代理人に選任した)ので、制限行為能力者であっても代理人にはなりうるし、その行為を、行為能力の制限を理由にして取り消すことができない。
・ただし、制限行為能力者が他の制限行為能力者(本人)の法定代理人としてした行為については、例外として、取り消すことができることに。
・制限行為能力者である本人が、リスクを承知で制限行為能力者を法定代理人に任命したわけではないから、本人の保護を考慮する。
チョッと補足
@代理人には、意思能力は必要であるが、行為能力は必ずしも必要としない。
 
行為能力とは、単独で法律行為をなしうる能力。
 行為の程度によって制限される範囲が、定型的に分類されている。
A意思能力とは、自分の行為の意味やそれがもたらす結果を判断できる能力であり、行為の程度によって要求されるレベルがある程度異なるが、一般的には、小学生の低学年以下の者などはいかなる場合も意思能力はないとされる。
 権限の定めのない代理人の権限(103条)
 「権限の定めのない代理人は、次に掲げる行為のみをする権限を有する」
 @保存行為
 A代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為
05
27
3
 代理行為の効果は、代理してなされた法律行為から生ずる法律的な効果が、直接本人に帰属することである。 (基礎)@

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正しい 誤り
24
28
1
 代理人は本人のために法律行為を行う者であるから、代理人としての地位は、法律に基づくもののほかは必ず委任契約によらなければならないが、使者は本人の完了した意思決定を相手方に伝達する者であるから、使者の地位は、雇用契約、請負契約など多様な契約に基づく。(応用)@

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正しい 誤り
15
27
1
 本人所有の甲不動産を処分するための代理権を与えられているAが、Bに甲不動産を譲渡する際、Bから受け取る代金は専ら自己の借金の返済に使うという意図をもって代理人として契約をしたが、Bは取引上相当な注意をしてもAのそのような意図を知ることができなかった場合、大審院ないし最高裁判所の見解に立つと、本人に契約上の効果が帰属することになる。@

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正しい 誤り












24
28
3
 代理人は本人のために自ら法律行為を行うものであるから、代理行為の瑕疵は、代理人について決するが、使者は本人の行う行為を完成させるために本人の完了した意思決定を相手方に伝達するにすぎないから、当該意思表示の瑕疵は、本人について決定する。(基礎)@

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正しい 誤り
14
27
1
 使者が本人の意思を第三者に表示する場合、その意思表示に錯誤があったか否かは、使者を基準に判断する。(24-28-3の類型)@

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正しい 誤り
21
27
5
 Aの代理人Bが、Cを騙してC所有の建物を安い値で買った場合、AがBの欺瞞行為につき善意無過失であったときには、B自身の欺瞞行為なので、CはBの詐欺を理由にした売買契約の取消しをAに主張することはできない。(令元ー28-1関連)@

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正しい 誤り
14
27
4
 本人が強迫を受けて代理権を授与した場合には、代理人が強迫を受けていないときでも、本人は代理権授与行為を取り消すことができる。@

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正しい 誤り







5
27
2
 任意代理人は、制限行為能力者でもなることができる。(基礎)@

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正しい 誤り
24
28
2
 代理人は、本人のために法律行為を行う者であるから、代理権の授与のときに意思能力および行為能力を有することが必要であるのに対し、使者は、本人の完了した意思決定を相手方に伝達する者であるから、その選任のときに意思能力および行為能力を有することは必要でない。(5-27-2の応用)@

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正しい 誤り
21
27
4
 建物を購入する代理権をAから与えられたBが、Cから建物を買った場合に、Bが未成年者であったときでも、Aは、Bの未成年であることを理由にした売買契約の取消しをCに主張することはできない。@

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21
27
1
 Aは留守中の財産の管理につき単に妻Bに任せるといって海外へ単身赴任したところ、BがAの現金をA名義の定期預金としたときは、代理権の範囲外の行為に当たり、その効果はAに帰属しない。@

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3 復代理人
 任意代理人による復代理人の選任(104条)
 「委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない」
 旧105条(復代理人を選任した代理人の責任)法改正(R02.04.01削除)
 「代理人は、前条の規定により復代理人を選任したときは、その選任及び監督について、本人に対してその責任を負う」

・(任意)代理人が、復代理人を選任したときは、改正前は「その選任及び監督について、本人に対して責任を負う」とされていたが、これが削除されたことにより、代理人は復代理人の行為について、全面的に責任を負うこととされた。
・すなわち、改正後は、本人を代理権授与契約の債権者、代理人を債務者とする、債務不履行の一般の責任問題として、処理されることに。
 法定代理人による復代理人の選任(105条)法改正(R02.04.01、旧106条を新105条に)
 「法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる。
 この場合において、やむを得ない事由があるときは、本人に対してその選任及び監督についての責任のみを負う」

・法定代理人が、復代理人を選任したときは、
@原則:復代理人の行為に帰責事由があれば、法定代理人は無過失であっても責任を負う。
Aやむをえない事由がある場合:選任・監督に関する過失に対してのみ責任を負う。
 復代理人の権限等(106条)
 「復代理人は、その権限内の行為について、本人を代表する
 「2項 法改正(R02.04.01) 復代理人は、本人及び第三者に対して、その権限の範囲内において、代理人と同一の権利を有し、義務を負う
⇒改正点は、「その権限の範囲内において」を追加。


















09
27
1
 任意代理人は、特に本人の信任を得て代理人となった者なので、本人の許諾を得ない限り、復代理人を選任することはできない。(基礎)@

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正しい 誤り
24
28
5
 代理人は、法律または本人の意思に基づいて本人のために法律行為を行う者であるから、本人に無断で復代理人を選任することは認められないのに対し、使者は、単に本人の完了した意思決定を相手方に伝達するにすぎないから、本人に無断で別の者を使者に選任することも認められる。(09-27-1の応用)@

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12
30
3
  出張先の大阪で交通事故に遭い負傷したAは、東京在住の友人の弁護士Bに加害者Cと示談契約を締結してくれるよう依頼した。
 この場合、Bは、Aの承諾を得なければ、自己の信頼する他の弁護士に自己に代わってCとの示談契約の締結を委任することができない。(09-27-1の応用)@

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11
27
1
 任意代理人は、本人の許諾又はやむを得ない事由がなければ復代理人を選任することができないが、法定代理人は、本人の許諾を必要とせず、その責任において復代理人を選任することができる。(基礎)@

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正しい 誤り
09
27
2
 任意代理人は、復代理人を選任したときは、その選任及び監督について、本人に対してその責任を負う。(改)@

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05
27
5
 復代理人は、代理人の代理人である。(基礎)@

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09
27
3
 復代理人は、代理人に対して権利義務を有し、本人に対しては何ら権利義務を有しない。 (05-27-5の類型)@

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令元
28
4
 代理人が本人の許諾を得て復代理人を選任した場合において、復代理人が代理行為の履行として相手方から目的物を受領したときは、同人はこれを代理人に対してではなく、本人に対して引き渡す義務を負う。@

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09
27
4
 代理人は、復代理人を選任しても代理権を失うものではなく、選任後は復代理人と同等の立場で本人を代理することになる。(応用)@
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正しい 誤り
09
27
5
 代理人が本人の許諾を得て復代理人を選任した場合は、その後、代理人が死亡しても復代理人の代理権は、消滅しない。@
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4 代理権の濫用等
 代理権の濫用(107条) 法改正(R02.04.01、新規)
 「代理人が自己又は第三者の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をした場合において、相手方がその目的を知り、又は知ることができたときは、その行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす」

@「代理人が自己または第三者の利益をはかるための行為は、代理権の範囲内であっても、相手方がその目的を知っていたあるいはちょっと注意すれば知ることができた場合は、代理権の濫用であるとし、無権代理とみなすことに。
⇒従来は、93条但書の規定を類推適用して、無効としていた。
A無権代理とみなされることから、113条「追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない」、その他の無権代理行為の規定が適用されることに。
 自己契約・双方代理(108条) 法改正(R02.04.01、1項修正、2項追加)
 「同一の法律行為について、相手方の代理人として、又は当事者双方の代理人としてした行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない」
 「同2項  前項本文に規定するもののほか、代理人と本人との利益が相反する行為については、代理権を有しない者がした行為とみなす。ただし、本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない」

 改正点
1項:改正前は、「同一の法律行為については、相手方の代理人となり、又は当事者双方の代理人となることはできない」とされていたが、それに違反した場合、無効なのか、無権代理なのかが明確でなかった。
 改正後は、「無権代理行為とみなす」こととし、本人が追認すれば有効となる。
2項(追加):代理人による「利益相反行為」についても、「無権代理行為とみなす」ことに
・自己契約とは、AとBが契約するとき、AがBの代理人にもなってA一人で契約することをいう。
・双務契約(双方代理)とは、AとBが契約するとき、CがAとBの両方の代理人となってC一人で契約することをいう。
21
27
3
 A所有の建物を売却する代理権をAから与えられたBが、自らその買主となった場合に、そのままBが移転登記を済ませてしまったときには、AB間の売買契約について、Aに効果が帰属する。@

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正しい 誤り
11
27
2
 同一の法律行為について、相手方の代理人となり、又は当事者双方の代理人となることは、いかなる場合であっても許されない。@

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6.表見代理
 
代理権授与の表示による表見代理等(109条)
 「第三者に対して、他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。
 ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない」
  「同2項 法改正(R02.04.01追加) 第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間で行為をしたとすれば前項の規定によりその責任を負うべき場合において、その他人が第三者との間でその代理権の範囲外の行為をしたときは、第三者がその行為についてその他人の代理権があると信ずべき正当な理由があるときに限り、その行為についての責任を負う」
⇒「前項の規定によりその責任を負うべき場合」とは、代理権が与えられていないことにつき、善意・無過失であること。
代理権授与の表示による表見代理+権限外の行為の表見代理の場合は、代理権があると信ずべき正当な理由があるときに限り、代理権授与の表示をした者が、その権限外の行為について責任を負う。
 権限外の表見代理(110条)
 「前条1項本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する」

・本条にいう代理人とは、一定の基本権限を持つ代理人のことであって、代理権授与を表示した他人とは違う。
・上記の代理人が、正式に与えられた代理権限を超えた行為を行った場合、「第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときは、その代理人がした権限外の行為について、本人がその責任を負う」
 表見代理とは
 
基本的には、代理人に代理権はない(無権代理)のであるが、
@実際には代理権を与えていないのに、代理権を与えたように思われてもしかたがないような具体的な行為をした場合:代理権授与の表示による表見代理(109条)
A与えた代理権の範囲を超えて代理行為をした場合:権限外の行為の表見代理(110条)
B一度代理権を与えたが、その期限が切れた後も代理行為をした場合:(112条1項)
C代理権授与の表示による表見代理+権限外の行為の表見代理であって、代理権があると信ずべき正当な理由がある場合の重畳適用(109条2項)
D代理権消滅後の表見代理+権限外の行為の表見代理であって、代理権があると信ずべき正当な理由がある場合の重畳適用(112条2項)
 その結果は、
・相手方が善意(実際の事情を知らない)又は無過失(注意すれば知ることができたような状況ではない)であれば、重畳適用の場合はさらに、代理権があると信ずべき正当な理由があれば、)その代理行為は有効とされる。
・相手方に対しては本人が責任をとる。ただし、本人はその代理人に損害賠償を請求できる。 
 
 代理権の消滅事由(111条)  
 「代理権は、次に掲げる事由によって消滅する」
1  本人の死亡  
⇒本人が後見開始の審判を受けても消滅しない。 
⇒本人が破産手続を開始したとき、法定代理の場合は消滅しないが、任意代理の場合は消滅する(653条)
2

 代理人の死亡又は代理人が破産手続開始の決定若しくは後見開始の審判を受けたこと。 


 「同2項 委任による代理権は、前項各号に掲げる事由のほか、委任の終了によって消滅する」
 代理権消滅後の表見代理等(112条) 法改正(R02.04.01;1項修正、2項追加)
 「他人に代理権を与えた者は、代理権の消滅後にその代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、代理権の消滅の事実を知らなかった第三者に対してその責任を負う。ただし、第三者が過失によってその事実を知らなかったときは、この限りでない」
 「同2項 他人に代理権を与えた者は、代理権の消滅後に、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間で行為をしたとすれば前項の規定によりその責任を負うべき場合において、その他人が第三者との間でその代理権の範囲外の行為をしたときは、第三者がその行為についてその他人の代理権があると信ずべき正当な理由があるときに限り、その行為についての責任を負う」
 改正点とポイント
1項:改正前は「代理権の消滅は、善意の第三者に対抗することができない。ただし、第三者が過失によってその事実を知らなかったときは、この限りでない」とあったが、「善意」の意味が明確でなかった。
 改正後は、上記の通りとなり、「善意」の意味は「代理権の消滅の事実を知らなかった」ことである旨を明確にした。
2項(追加):代理権消滅後の表見代理+権限外の行為の表見代理の場合は、代理権があると信ずべき正当な理由があるときに限り、代理権を与えた者が、その権限外の行為について責任を負う。
24
28
4
 代理人は、与えられた権限の範囲で本人のために法律行為を行うものであるから、権限を逸脱して法律行為を行った場合には、それが有効となる余地はないのに対し、使者は、本人の完了した意思決定を相手方に伝達するのであるから、本人の真意と異なる意思を伝達した場合であってもその意思表示が取消し可能となる余地はない。(改)@

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正しい 誤り
11
27
5
 表見代理が成立する場合には、本人は、無権代理人の行為を無効であると主張することができないだけでなく、無権代理人に対して損害賠償を請求することもできない。@

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正しい 誤り
15
27
3
 代理権限の与えられていないAが、本人の代理人である旨を記載した白紙委任状を偽造して提示し、代理人と称したので、Bがそれを信頼して契約をした場合、大審院ないし最高裁判所の見解に立つと、本人に契約上の効果が帰属する。@

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正しい 誤り
権限外の行為の表見代理 12
27
4
 Aは、BにA所有の絵画を預けた。判例によれば、
 Bが、何の代理権もないのにAの代理人だと偽ってこの絵画をCに売却した場合、CがBに代理権ありと信じるにつき正当な理由があるときは、表見代理が成立する。@

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正しい 誤り
15
27
4
 本人の実印を預かっていたにすぎないAが、友人がBから借金をするのに、本人の代理人と称し、預かっていた実印を用いてBと保証契約をした場合、本人に契約上の効果が帰属する。@

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正しい 誤り
15
27
2
 請負人とAとの間で下請負契約が締結されていたので、Aは工事材料の買い入れにあたって請負人を本人とし、自己がその代理人であるとしてBと契約をした場合 、本人に契約上の効果が帰属することになる。 @

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正しい 誤り
15
27
5
 本人から投資の勧誘を行う者として雇われていたにすぎないAが、本人の代理人としてBと投資契約をし投資金を持ち逃げした場合、大審院ないし最高裁判所の見解に立つと、本人に契約上の効果が帰属する。@

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正しい 誤り
令元
28
3
 代理人が本人になりすまして、直接本人の名において権限外の行為を行った場合に、相手方においてその代理人が本人自身であると信じ、かつ、そのように信じたことにつき正当な理由がある場合でも、権限外の行為の表見代理の規定が類推される余地はない。(発展)@

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正しい 誤り





5
27
1
 代理権は、本人の死亡により消滅する。(基礎)@

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正しい 誤り
11
27
3
 代理権は、本人の死亡により消滅するが、代理人の死亡、後見開始もしくは補佐開始の審判を受けたこと又は破産によっても消滅する。@  

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正しい 誤り












7.無権代理
 無権代理(113条)
 「代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない」
 「同2項 追認又はその拒絶は、相手方に対してしなければ、その相手方に対抗することができない。
 ただし、相手方がその事実を知ったときは、この限りでない」
 
 無権代理人による行為:
 ・原則として、本人には効果が及ばないが、有効でも無効でもない。
 ・本人が望む場合、追認すれば有効とすることもできる。
 ・本人が望まない場合、追認を拒否すれば無効となる。
 無権代理の相手方の催告権(114条)
 「前条の場合において、相手方は、本人に対し、相当の期間を定めて、その期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。
 この場合において、本人がその期間内に確答をしないときは、追認を拒絶したものとみなす」
 無権代理の相手方の取消権(115条)
 「代理権を有しない者がした契約は、本人が追認をしない間は、相手方が取り消すことができる。
 ただし、契約の時において代理権を有しないことを相手方が知っていたときは、この限りでない」
 無権代理行為の追認(116条)
 「追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生ずる。
 ただし、第三者の権利を害することはできない」
 無権代理人の責任(117条) 法改正(R02.04.01、1項、2項)
 「他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明したとき、又は本人の追認をえたときを除き、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う」
 「同2項 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない」
@他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたとき
A他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が過失によって知らなかったとき。ただし、他人の代理人として契約をした者が、自己に代理権がないことを知っていたときは、この限りでない。
B他人の代理人として契約をした者が行為能力の制限をうけていたとき。
⇒ここで、「他人の代理人として契約」とは、その契約については本人とは無関係、つまり代理権のない偽の代理人ということ

 改正点
1項:「自己の代理権を証明することができず、かつ、本人の追認を得ることができなかったとき」を「自己の代理権を証明したとき、又は本人の追認をえたときを除き」に。
・これにより、これらの立証責任が代理人側にあることを明確にした。
2項:A号において、ただし書きを追加。
ポイント:無権代理人の責任
@自己の代理権を証明したとき、又は本人の追認をえたときを除き、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う
Aただし、以下の場合は、無権代理人の責任は問えない。
・無権代理人であることを相手方が知っていたとき。
・無権代理人であることを相手方が知らないことに過失があるとき。
 (ただし、無権代理人であることを自らが知っていたときは、相手方が知らないことに過失があっても、責任を追及できる)
・無権代理人が行為能力の制限をうけていたとき。








11
27
4
 無権代理人が契約をした場合において、相手方は、代理権のないことを知らなかったときに限り、相当の期間を定め、当該期間内に追認するかどうか確答することを本人に対して催告することができる。@

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正しい 誤り
20
28
5
 Aの子Bが、Aに無断でAの代理人としてA所有の土地をCに売却する契約を結んだ。
 Cが相当の期間を定めてこの売買契約を追認するかどうかをAに対して回答するよう催告したが、Aからは期間中に回答がなかった場合、Aは追認を拒絶したものと推定される。@

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正しい 誤り


28
2
 無権代理行為につき、相手方が本人に対し、相当の期間を定めてその期間内に追認するかどうかを確答すべき旨の催告を行った場合において、本人が確答をしないときは、追認を拒絶したものとみなされる。(20-28-5の類型)@

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正しい 誤り







19
27
3

 
 AがB所有の土地をCに売却した場合、AがBの代理人と称して売却した場合、代理権のないことを知らなかったCがこの売買契約を取り消せば、BはもはやAの代理行為を追認することはできない。@

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正しい 誤り
20
28
1
 Aの子Bが、Aに無断でAの代理人としてA所有の土地をCに売却する契約を結んだ。
 この場合、CはAが追認した後であっても、この売買契約を取り消すことができる。@

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正しい 誤り


28
5
 無権代理行為につき、相手方はこれを取り消すことができるが、この取消しは本人が追認しない間に行わなければならない。(20-28-1の類型)@

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正しい 誤り
5
27
4
 代理権のない者が行った行為は、本人が追認すると、最初から代理権があったと同様の効果を生じる。(基礎)@

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正しい 誤り








12
27
2
 Aは、BにA所有の絵画を預けた。Bがこの絵画を自己のものだと偽ってCに売却した場合、AがBの行為を追認したときは、絵画の所有権はBからCへ移転する。(発展)@

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 Aは、BからB所有の絵画を預かっている。
 Aがこの絵画を自分の物であると偽ってCに売却し、後にBがこの売買契約を追認した場合でも、Cは契約の時に遡ってこの絵画の所有権を取得することはできない。(12-27-2の類型)@

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 AがB所有の土地をCに売却した場合であって、AがBの代理人と称して売却した場合、Cは、Aに代理権のないことを過失によって知らなかった場合は、無権代理を行ったAに対して責任を追及することは、いかなる場合もできない。(改)@

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 Aの子Bが、Aに無断でAの代理人としてA所有の土地をCに売却する契約を結んだ。
 Bが未成年者である場合、Aがこの売買契約の追認を拒絶したならば、CはBに対して履行の請求をすることはできるが、損害賠償の請求をすることはできない。@

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8.無権代理と相続
(1) 無権代理人が本人を相続
@単独相続⇒無権代理人が本人になったのだからといって、いまさら保護する必要はない。
 つまり、信義則を根拠に追認は認めず、無権代理行為は当然に有効となる
A共同相続⇒他の相続人を保護する必要がある。
 つまり、他の共同相続人全員が追認しない限り、無権代理人であった者の相続分も含めて、当然に有効とはいえない。 逆に、他の共同相続人全員が追認した場合は、無権代理人は追認を拒否できず、無権代理人であった者のあった者の相続分も含めて、有効となる。
(2) 本人が無権代理人を相続
 ・無権代理行為は当然に有効となるものではなく、本人は被相続人のした無権代理行為の追認を拒絶することができる。
・ただし、本人は無権代理人の債務(責任)をも承継することになるので、相手側が損害賠償責任を追及した場合は本人が責任を負うことになる。
 しかし、相手方が履行責任を追及してきた場合については、原則として相手方からの履行責任の追及を拒むことができるのではないかという見解もある。
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 Aの子Bが、Aに無断でAの代理人としてA所有の土地をCに売却する契約を結んだ。
 Aがこの売買契約の追認を拒絶した後に死亡した場合、BがAを単独相続したとしても無権代理行為は有効にはならない。 @

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 Aが所有する甲土地につき、Aの長男BがAに無断で同人の代理人と称してCに売却した。Aが本件売買契約につき追認を拒絶した後に死亡してBが単独相続した場合、Bは本件売買契約の追認を拒絶することができないため、本件売買契約は有効となる。 (20-28-3の類型)@

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 Aは、BからB所有の絵画を預かっている。
 Aが代理権もないのにBの代理人だと偽ってこの絵画をCに売却し、その後にAがBを共同相続した場合、Cは、Aの相続分に相当する共有持分については、当然に権利を取得する。@

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 Aが所有する甲土地につき、Aの長男BがAに無断で同人の代理人と称してCに売却した。Aが死亡してBがAの妻Dと共に共同相続した場合、Dの追認がなければ本件売買契約は有効とならず、Bの相続分に相当する部分においても当然に有効となるものではない。(15-28-5の類型)@

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 Aの子Bが、Aに無断でAの代理人としてA所有の土地をCに売却する契約を結んだ。
 Aが追認または追認拒絶をしないまま死亡してBがAを相続した場合、共同相続人の有無にかかわらず、この売買契約は当然に有効となる。@

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 Aが所有する甲土地につき、Aの長男BがAに無断で同人の代理人と称してCに売却した。この場合において、Aが死亡してBが単独相続した場合、Bは本人の資格に基づいて本件売買契約につき追認を拒絶することができない。 (20-28-4の応用)@

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 Aは、海外出張に出かけたが、帰国予定の日に帰国しないまま長期間が経過した。その間、家族としては関係者および関係機関に問い合わせ、可能な限りの捜索をしたが、生死不明のまま出張から10年以上が経過した。そこで、Aについて、Aの妻Bの請求に基づき家庭裁判所によって、失踪宣告がなされた。
 Aの相続人としては、妻B及び子Cの2人がいる場合において、CがAの失踪宣告前にAの無権代理人としてA所有の土地及び建物をDに売却した場合に、BがCと共同して追認をしないときでも、当該無権代理行為は有効となる。(20-28-4の応用)@

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本人が無権代理人を相続 12
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 Aは、BにA所有の絵画を預けた。
 Bが、何の代理権もないのにAの代理人だと偽ってこの絵画をCに売却し、その後にAがBを相続したときは、AはBの行為につき追認を拒絶することができる。@

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 Aが所有する甲土地につき、Aの長男BがAに無断で同人の代理人と称してCに売却した。Bが死亡してAが相続した場合、Aは本人の資格において本件売買契約の追認を拒絶することができるが、無権代理人の責任を免れることはできない。 @

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 Aが登記簿上の所有名義人である甲土地をBが買い受ける旨の契約(以下「本件売買契約」という)をA・B間で締結した場合において、甲土地はAの所有に属していたところ、Aの父であるDが、Aに無断でAの代理人と称して本件売買契約を締結し、その後Dが死亡してAがDを単独で相続したときは、Aは、Dの法律行為の追認を拒絶することができ、また、損害賠償の責任を免れる。(28-28-4の類型) @

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 Aが所有する甲土地につき、Aの長男BがAに無断で同人の代理人と称してCに売却した。
 その後、Bが死亡してAの妻DがAと共に共同相続した後、Aも死亡してDが相続するに至った場合、Dは本人の資格で無権代理行為の追認を拒絶する余地はない。@

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