2A |
日本国憲法 (人権) |
権利と・義務、基本的人権、自由権、個人の尊重と公共の福祉、平等原則、請願権 |
関連過去問 3-21-1、3-21-2
、4-21-2
、4-21-3
、4-21-5
、5-21
、7-25-3
、9-21-1
、9-21-2
、9-21-3
、9-21-4
、9-21-5
、12-3
、13-3-4、13-5-1
、13-5-2
、13-5-3
、13-5-4、16-3-1、16-3-2
、16-3-3、16-3-4
、16-3-5
、17-5-3
、18-6-3、18-7-ウ
、19-41、22-4
、23-3-1
、23-3-2
、23-3-3
、23-3-4
、23-3-5
、23-7-1
、23-7-2
、23-7-3
、23-7-4
、23-7-5
、25-3、25-4-3、26-3-1、26-3-2、26-3-3、26-3-4、26-3-5、26-5-1、26-5-2、26-5-3、26-5-4、26-5-5、27-4-1,2,3,4,5、28-4-1、28-4-2、28-4-3、28-4-4、28-4-5、28-7-3、28-7-4、28-7-5、令元4-1、令元ー4-2、令元ー4-3、令元ー4-4、令元ー4-5、令3-4-1、令3-4-3、令3-4-4 |
関連条文等 日本国民の要件(10条)、基本的人権の享有(11条)、自由・権利の保持責任と濫用禁止(12条)、個人の尊重・幸福追求権・公共の福祉(13条)、
法の下の平等・貴族制度の廃止・栄典の授与(14条)、請願権(16条)、家族生活における個人の尊厳と両性の平等(24条) |
基
本
的
人
権 |
0.国民の権利及び義務
日本国民の要件(10条)
「日本国民たる要件は、法律でこれを定める」
基本的人権
基本的人権は一般的には、@自由権、A社会権、B参政権にわけることができるといわれている。
(1)自由権
自由権は、国家から(介入、干渉、制限等)の自由を得て、個人が自由に意思決定し行動する権利。
この自由権には、@精神的自由権(思想・良心の自由、信教の自由、集会・結社・表現の自由、学問の自由)、A経済的自由権(居住・移転・職業選択の自由)、B人身の自由(奴隷的拘束からの自由、法定手続の保障、逮捕に対する保障、勾留・拘禁に対する保障、拷問・残虐な刑罰の禁止、刑事被告人の権利・・・・)などからなる。
(2)社会権 社会権は、社会的正義・公正の原則を実現するために、個人が国家に対して積極的な実現を求める権利 この社会権には、@生存権、A教育権、B労働権、C労働基本権などからなる。
(39参政権 |
27 4 1 2 3 4 5 |
次の文章は、基本的人権の分類についてかつて有力であったある考え方を整理・要約したものである。1〜5は、この分類ではいずれも「生存権的基本権」と関係があるが、その本来的な特徴を備えているとはいえないものが一つだけ含まれている。それはどれか。
「我妻栄は、基本的人権を、大きく、「自由権的基本権」と「生存権的基本権」に二分し、憲法25条から28条までの権利を生存権的基本権に分類するとともに、自由権的基本権には、各種の自由権や法の下の平等のほか、請願権、国家賠償請求権、刑事補償請求権、公務員の選定・罷免権などが、「自由権的基本権を確保するための諸権利」として一緒に分類されている。
「自由権的基本権」と「生存権的基本権」とを区別するにあたっては、基本的人権の歴史的推移に着目し、第一に、基本的人権の内容について、前者が「自由」という色調をもつのに対して、後者は「生存」という色調をもつという差異があること、第二に、基本的人権の保障の方法について、前者が「国家権力の消極的な規制・制限」であるのに対して、後者は「国家権力の積極的な配慮・関与」であることを指摘している。以下略」(中村睦男「社会権の解釈」1983年4-9頁)
A:国による生活保護の給付、B:無償による義務教育の提供、C:勤労条件の法律による保障
D:争議行為の刑事免責、E:社会保障制度の充実 |
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基本的人権の享有 |
1.基本的人権の享有(11条)
「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。
この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる」 |
18
6
3 |
日本国憲法第11条に、「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる」
とあるが、
「この憲法」のなかには、日本国憲法のほかに、世界人権宣言や国際人権規約も当然に含まれるとするのが、判例である。 |
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5
21 |
日本国憲法上、基本的人権として明文で規定されていないものは、次のうちどれか。(応用)
A:集会の自由、 B:国籍離脱の自由、 C:立候補の自由、 D:思想及び良心の自由、 E:外国移住の自由 |
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自 由 ・ 権 利 の 保 持 責 任 と 濫 用 禁 止 |
2.自由・権利の保持責任と濫用禁止(12条)
「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。
又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ」 |
4 21 2 |
国民は、日本国憲法が国民に保障する自由及び権利を濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負う。(基礎) |
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7
25
3 |
国民は、日本国憲法が国民に保障する自由及び権利を濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負う。(4-21-2の類型) |
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12
3 |
次の記述のうち、「自由とその制約」についての考え方が他と違うものはどれか。(応用)
A:賭博をするのは本来幸福を追求する行為だが、勤労の美風を害し経済秩序を乱すので、賭博は処罰されるべきである。
B:シートベルトを締めないのも本来は自由だが、交通事故により死傷者を確実に減らせるよう、着用を義務づけるべきである。
C:他人のものを盗みたいからといって、もとより他人のものを盗む自由があるわけではなく、窃盗行為は処罰されるべきである。
D:行政書士になりたいからといって、直ちにその業務ができるわけではなく、法律に定められた資格者だけが行政書士になれる。
E:お酒を造るのも本来は自由だが、国の重要な収入源である酒税を確実に徴収できるよう、無免許の酒造行為は処罰されるべきである。 |
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個
人
の
尊
重
・
幸
福
追
求
権 |
3.個人の尊重、幸福追求権、公共の福祉(13条)
「すべて国民は、個人として尊重される。
生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」
@13条後段は、「幸福追求権」を宣言したものといわれている。
A14条以下により憲法が個別に保障している人権との関係についてはさまざまな議論があるが、この幸福追求権は、14条以下では保障されていない「新しい人権」の根拠となりうるという議論も有力である。
B「公共の福祉」と基本的人権の関係についてもさまざまな議論がある。たとえば、
・「公共の福祉」は人権の外にあるものであるから、すべての人権においてこれによる制約があってもやむを得ない。
・「公共の福祉」とは、人権相互の矛盾や衝突を調整するためのものであるから、すべての人権に当然に内在しているものである。
・「公共の福祉」による制約が認められるのは、経済的自由権と社会権に限られる。13条は訓示的な規定であって、そこに制約があると書かれても実質的な意味をもたない。
C公共の福祉の具体化:違憲審査基準
「公共の福祉に反するか否か」を、具体的な事件についての違憲審査基準とするための理論として、以下のようなものが言われている。 「比較衡量論」:人権の制限によって得られる利益と、人権の制限によって失われる利益を比較衡量し、前者が大きい場合は合憲、後者が大きい場合は意見とする理論。
「二重の基準の理論」:経済的自由に対する規制は、立法府等の裁量を尊重して「緩やかな基準」で審査されるに対し、精神的自由に対する規制は「より厳格な基準」によって審査されなければならないとする理論。 |
4
21
5 |
生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利は、いかなる場合も立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。(基礎) |
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|
26
3 1 |
幸福追求権について、学説は憲法に列挙されていない新しい人権の根拠となる一般的かつ包括的な権利であると解するが、判例は立法による具体化を必要とするプログラム規定だという立場をとる。 |
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26
3 5 |
憲法13条が幸福追求権を保障したことをうけ、人権規定の私人間効力が判例上確立された1970年代以降、生命・身体、名誉・プライバシー、氏名・肖像等に関する私法上の人格権が初めて認められるようになった。 |
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26
3 2 |
幸福追求権の内容について、個人の人格的生存に必要不可欠な行為を行う自由を一般的に保障するものと解する見解があり、これを「一般的行為自由説」という。(発展) |
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|
在監者の喫煙 |
9
21 1 |
判例によると、喫煙の自由は、基本的人権に含まれるとしても、あらゆる時、所において保障されなければならないものではない。 |
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|
犯
罪
歴
等 |
9
21
3 |
地方公共団体が、弁護士会からの弁護士法第23条の2の規定による前科照会に応じ、前科等のすべてを報告することは、前科等をみだりに公開されないという個人の法律上の利益を害し、違法となることがある。 |
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13
5
1 |
最高裁判所の判例によると、「市区町村長が漫然と弁護士会の照会に応じて、前科等を報告することは、それが重罪でない場合には、憲法13条に違反し、違法な公権力の行使にあたる」とされている。(9-21-3の類型) |
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23
3
2 |
前科は、個人の名誉や信用に直接関わる事項であるから、事件それ自体を公表することに歴史的または社会的な意義が認められるような場合であっても、事件当事者の実名を明らかにすることは許されない。 |
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13
5
2 |
最高裁判所の判例によると、「ある者の前科等を実名つきで公表した著作者は、それを公表する理由よりも公表されない法益の方が勝る場合、その者の精神的苦痛を賠償しなくてはならない」とされている。(23-3-2の応用) |
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23
3
4 |
犯罪を犯した少年に関する犯人情報、履歴情報はプライバシーとして保護されるべき情報であるから、当該少年を特定することが可能な記事を掲載した場合には、特段の事情がない限り、不法行為が成立する。(13-5-2の類型) |
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写
真
撮
影
|
13
5
3 |
最高裁判所の判例によると、「警察官が正当な理由もないのに、個人の容ぼう等を撮影することは、憲法13条に違反するが、公共の福祉のために必要な場合には許される場合がある」とされている。 |
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9
21
2 |
判例によると、何人もその承諾なしに、みだりにその容ぼう・姿態を撮影されない自由を要するが、警察官による撮影は、証拠保全の必要性があれば、その撮影の方法を問わず許される。(13-5-3の類型) |
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23
3
1 |
何人も、その承諾なしにみだりに容貌等を撮影されない自由を有するので、犯罪捜査のための警察官による写真撮影は、犯人以外の第三者の容貌が含まれない限度で許される。(13-5-3の類型) |
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令 3 4 1 |
個人の容ぼうや姿態は公道上などで誰もが容易に確認できるものであるから、個人の私生活上の自由の一つとして、警察官によって本人の承諾なしにみだりにその容ぼう・姿態を撮影されない自由を認めることはできない。
(13-5-3の類型) |
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13
5
4 |
最高裁判所の判例によると、「自動速度監視装置による運転者の容ぼうの写真撮影は、現に犯罪が行われ、かつ緊急に証拠を保全する必要があり、方法も相当である場合には、許容される」とされている。(13-5-3の応用) |
;;¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥
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|
令 3 4 4 |
速度違反車両の自動撮影を行う装置により運転者本人の容ぼうを写真撮影することは憲法上許容されるが、運転者の近くにいるため除外できないことを理由としてであっても、同乗者の容ぼうまで撮影することは許されない。(13-5-4関連) |
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プ ラ イ バ シ ィ 権 一般 |
9 21 4 |
判例によると、名誉を違法に侵害された者は、人格権としての名誉権に基づき、将来生ずべき侵害を防止するため、侵害行為の差止めを求めることができる。 |
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9 21 5 |
判例によると、私生活をみだりに公開されない権利が法的に救済されるための要件の一つとして、公開された内容が一般の人々にいまだ知られていない事柄であることが必要とされる |
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26
3 3 |
プライバシーの権利について、個人の私的領域に他者を無断で立ち入らせないという消極的側面と並んで、積極的に自己に関する情報をコントロールする権利という側面も認める見解が有力である。 |
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26 3 4 |
プライバシーの権利が、私法上、他者の侵害から私的領域を防御するという性格をもつのに対して、自己決定権は、公法上、国公立の学校や病院などにおける社会的な共同生活の中で生じる問題を取り扱う。 |
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通信の傍受 |
令 3 4 3 |
電話傍受は、通信の秘密や個人のプライバシーを侵害するが、必要性や緊急性が認められれば、電話傍受以外の方法によって当該犯罪に関する重要かつ必要な証拠を得ることが可能な場合であっても、これを行うことが憲法上広く許容される。 |
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|
住
基
ネ
ッ
ト |
23
3
5 |
いわゆる住基ネットによって管理、利用等される氏名・生年月日・性別・住所からなる本人確認情報は、社会生活上は一定の範囲の他者には当然開示されることが想定され、個人の内面に関わるような秘匿性の高い情報とはいえない。 |
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|
28
4 3 |
最高裁判所は、平成11年に導入された住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)について、これが憲法13条の保障する自由を侵害するものではない旨を判示しているが、さらにこの中で、「氏名・生年月日・性別・住所という4情報は、人が社会生活を営む上で一定の範囲の他者には当然開示されることが予定されている個人識別情報であり、個人の内面に関わるような秘匿性の高い情報とはいえない」としている。(23-3-5の類型) |
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28
4 1 |
最高裁判所は、平成11年に導入された住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)について、これが憲法13条の保障する自由を侵害するものではない旨を判示しているが、さらにこの中で、
「憲法13条は、国民の私生活上の自由が公権力の行使に対しても保護されるべきことを規定しており、何人も個人に関する情報をみだりに第三者に開示または公表されない自由を有する」としている。 |
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28
4 4 |
最高裁判所は、平成11年に導入された住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)について、これが憲法13条の保障する自由を侵害するものではない旨を判示しているが、さらにこの中で、「住基ネットによる本人確認情報の管理、利用等は、法令等の根拠に基づき、住民サービスの向上および行政事務の効率化という正当な行政目的の範囲内で行われているものということができる」としている。 |
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28
4 5 |
最高裁判所は、平成11年に導入された住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)について、これが憲法13条の保障する自由を侵害するものではない旨を判示しているが、さらにこの中で、「住基ネットにおけるシステム技術上・法制度上の不備のために、本人確認情報が法令等の根拠に基づかずにまたは正当な行政目的の範囲を逸脱して第三者に開示・公表される具体的な危険が生じているということはできない」としている。 |
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28 4 2 |
最高裁判所は、平成11年に導入された住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)について、これが憲法13条の保障する自由を侵害するものではない旨を判示しているが、さらにこの中で、「自己に関する情報をコントロールする個人の憲法上の権利は、私生活の平穏を侵害されないという消極的な自由に加えて、自己の情報について閲覧・訂正ないし抹消を公権力に対して積極的に請求する権利をも包含している」としている。
(26-3-3の類型) |
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指 紋 押 な つ |
23
3
3 |
指紋は、性質上万人不同、終生不変とはいえ、指先の紋様にすぎず、それ自体では個人の私生活や人格、思想等個人の内心に関する情報ではないから、プライバシーとして保護されるものではない。
(類型問題(外国人の指紋押なつ)についてはこちらを) |
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|
環境権 |
3
21 1
|
良好な環境を享受する権利」は、日本国憲法上明文で規定されていない。 |
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|
平
等
原
則 |
4.法の下の平等、貴族制度の廃止、栄典の授与(14条)
「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」
「2項 華族その他の貴族の制度は、これを認めない」
「3項 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。
栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する」 |
22
4 |
次の文章は、平等原則について、先例として引用されることの多い最高裁判所判決の一部である。
文中の空欄(ア)〜(エ)にあてはまる語句の組合せとして、正しいものはどれか。
最高裁判例[待命処分無効確認、判定取消等請求}(S39.05.27)
「思うに、憲法14条1項及び地方公務員法13条にいう社会的身分とは、人が社会において占める継続的な地位をいうものと解されるから、高令(齢)であるということは右の社会的身分に当らないとの原審の判断は相当と思われるが、右各法条は、国民に対し、法の下の平等を保障したものであり、右各法条に列挙された事由は
( ア )なものであつて、必ずしもそれに限るものではないと解するのが相当であるから、原判決が、高令(齢)であることは社会的身分に当らないとの一事により、たやすく上告人の
・・・・主張を排斥したのは、必ずしも十分に意を尽したものとはいえない。
しかし、右各法条は、国民に対し( イ )な平等を保障したものではなく、差別すべき( ウ )な理由なくして差別することを禁止している趣旨と解すべきであるから、
( エ )に即応して( ウ )と認められる差別的取扱をすることは、なんら右各法条の否定するところではない」
|
ア |
イ |
ウ |
エ |
A |
具体的 |
形式的 |
客観的 |
事柄の性質 |
B |
例示的 |
絶対的 |
合理的 |
公共の福祉 |
C |
例示的 |
相対的 |
合理的 |
事柄の性質 |
D |
具体例 |
一般的 |
実質的 |
公共の福祉 |
E |
例示的 |
絶対的 |
合理的 |
事柄の性質 |
|
解説を見る |
|
25
3 |
次の文章は、ある最高裁判所判決の意見の一節である。( ア )〜( ウ )に入る語句の組合せとして、正しいものはどれか。
「一般に、立法府が違憲な( ア )状態を続けているとき、その解消は第一次的に立法府の手に委ねられるべきであって、とりわけ本件におけるように、問題が、その性質上本来立法府の広範な裁量に委ねられるべき国籍取得の要件と手続に関するものであり、かつ、問題となる違憲が( イ )原則違反であるような場合には、司法権がその( ア )に介入し得る余地は極めて限られているということ自体は否定できない。
しかし、立法府が既に一定の立法政策に立った判断を下しており、また、その判断が示している基本的な方向に沿って考えるならば、未だ具体的な立法がされていない部分においても合理的な選択の余地は極めて限られていると考えられる場合において、著しく不合理な差別を受けている者を個別的な訴訟の範囲内で救済するために、立法府が既に示している基本的判断に抵触しない範囲で、司法権が現行法の合理的( ウ )解釈により違憲状態の解消を目指すことは、全く許されないことではないと考える」(最大判平成20年6月4日民集62巻6号1367頁以下における藤田宙靖意見)
|
ア |
イ |
ウ |
A |
不作為 |
比例 |
限定 |
B |
作為 |
比例 |
限定 |
C |
不作為 |
相互主義 |
有権 |
D |
作為 |
法の下の平等 |
拡張 |
E |
不作為 |
法の下の平等 |
拡張 |
|
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|
18
7
ウ |
華族その他の貴族の制度は、これを認めない。 |
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|
4
21
3 |
栄誉、勲章その他の栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代を除き、いかなる特権も伴わない。(基礎) |
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|
男女間格差 |
25 4 3 |
最高裁判例によれば、性別による差別を禁止する憲法14条1項の効力は労働関係に直接及ぶことになるので、男女間で定年に差異を設けることについて経営上の合理性が認められるとしても、女性を不利益に扱うことは許されない。 |
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|
非 嫡 出 子 の 法 定 相 続 分 |
28 7 3 |
法定相続分について嫡出性の有無により差異を設ける規定は、相続時の補充的な規定であることを考慮しても、もはや合理性を有するとはいえず、憲法に違反する。 |
解説を見る |
|
令 元 4 1 |
嫡出でない子の法定相続分を嫡出子の2分の1とする民法の規定は、当該規定が補充的に機能する規定であることから本来は立法裁量が広く認められる事柄であるが、法律婚の保護という立法目的に照らすと著しく不合理であり、憲法に違反する。(28-7-3の類型) |
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|
国 籍 法 |
令 元 4 2 |
国籍法が血統主義を採用することには合理性があるが、日本国民との法律上の親子関係の存否に加え、日本との密接な結びつきの指標として一定の要件を設け、これを満たす場合に限り出生後の国籍取得を認めるとする立法目的には、合理的な根拠がないため不合理な差別に当たる。(発展) |
解説を見る |
|
出生届 |
令 元 4 3 |
出生届に嫡出子または嫡出でない子の別を記載すべきものとする戸籍法の規定は、嫡出でない子について嫡出子との関係で不合理な差別的取扱いを定めたものであり、憲法に違反する。 |
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|
夫婦の氏 |
令 元 4 5 |
夫婦となろうとする者の間の個々の協議の結果として夫の氏を選択する夫婦が圧倒的多数を占める状況は実質的に法の下の平等に違反する状態といいうるが、婚姻前の氏の通称使用が広く定着していることからすると、直ちに違憲とまではいえない。
|
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|
尊属殺人 |
28
7 4 |
尊属に対する殺人を、高度の社会的非難に当たるものとして一般殺人とは区別して類型化し、法律上刑の加重要件とする規定を設けることは、それ自体が不合理な差別として憲法に違反する。 |
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|
一
票
の
価
値 |
26 5 3 |
投票価値の平等に関する判例によれば、「衆議院議員選挙については、的確に民意を反映する要請が強く働くので、議員1人当たりの人口が平等に保たれることが重視されるべきであり、国会がそれ以外の要素を考慮することは許されない」 |
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|
16
3
1 |
「形式的に1人1票の原則が貫かれていても、投票価値が平等であるとは限らない」とするのは、投票価値の平等に関する最高裁判所の判例の趣旨に適合している。 |
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|
16 3 2 |
「選挙人資格における差別の禁止だけでなく、投票価値の平等も憲法上の要請である」とするのは、投票価値の平等に関する最高裁判所の判例の趣旨に適合している。 |
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|
16
3
3 |
「投票価値の平等は、他の政策目的との関連で調和的に実現されるべきである」とするのは、投票価値の平等に関する最高裁判所の判例の趣旨に適合している。 |
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|
26 5 1 |
投票価値の平等に関する判例によれば、「議員定数配分規定は、その性質上不可分の一体をなすものと解すべきであり、憲法に違反する不平等を生ぜしめている部分のみならず、全体として違憲の瑕疵を帯びるものと解すべきである」 |
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|
16
3
4 |
「法改正に時間がかかるという国会側の事情は、憲法判断に際して考慮すべきでない」とするのは、投票価値の平等に関する最高裁判所の判例の趣旨に適合している。 |
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|
26
5 2 |
投票価値の平等に関する判例によれば、「投票価値の不平等が、国会の合理的裁量の範囲を超えると判断される場合には、選挙は違憲・違法となるが、不均衡の是正のために国会に認められる合理的是正期間を経過していなければ、事情判決の法理により選挙を有効とすることも許される」 (16-3-4の類型) |
解説を見る |
|
19
41
|
次の文章は、ある最高裁判所判決の一節である。空欄[ア]〜[エ]に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1〜20)から選びなさい。
「公職選挙法の制定又はその改正により具体的に決定された選挙区割と議員定数の配分の下における選挙人の投票の有する[ア]に不平等が存し、あるいはその後の[イ]の異動により右のような不平等が生じ、それが国会において通常考慮し得る諸般の要素をしんしやくしてもなお、一般に[ウ]性を有するものとは考えられない程度に達しているときは、右のような不平等は、もはや国会の[ウ]的裁量の限界を超えているものと推定され、これを正当化すべき特別の理由が示されない限り、憲法違反と判断されざるを得ないものというべきである。
もつとも、制定又は改正の当時合憲であつた議員定数配分規定の下における選挙区間の議員一人当たりの選挙人数又は[イ](この両者はおおむね比例するものとみて妨げない)の較差がその後の[イ]の異動によつて拡大し、憲法の選挙権の平等の要求に反する程度に至つた場合には、そのことによつて直ちに当該議員定数配分規定が憲法に違反するとすべきものではなく、憲法上要求される[ウ]的[エ]内の是正が行われないとき初めて右規定が憲法に違反するものというべきである」
(最大判昭和60年7月17日民集39巻5号1100頁以下)
1 羈束 2 数量 3 地域 4 人事 5 権力 6 価値 7 人工 8 結果 9
票決 10 厳格
11 期間 12 効果 13 機関 14 囲繞 15 合理 16 関連 17 人口 18 明確 19 要件 20 秩序 |
|
解説を見る |
|
|
23 問 題 7 |
次の文章は、衆議院議員選挙の効力を争った、ある高等裁判所判決の一節である。
当時の公職選挙法別表に定められた選挙区への定数配分については、先の総選挙に関し、最高裁判所が、客観的には違憲状態であるが、なお選挙時には改正に必要な合理的期間を徒過していなかったことを理由に、合憲判断を下していた。
高裁判決では、こうした状態の下で解散総選挙が行われた事案に関して、憲法判断が求められた。
東京高裁[衆議院議員選挙無効事件}(昭和59年10月19日)
「被告は、本件選挙は内閣の衆議院解散権の行使によるものであるところ、このような選挙については、投票価値の較差を是正したうえでこれを行うかどうかは立法政策の問題である旨主張する。
本件選挙が内閣の週銀解散権の行使に基づくものであることは公知の事実であるが、前記の較差是正を行うベき合理的期間は、選挙権の平等を害するような較差を生ぜしめる議員定数配分規定がその間において改正されることを合理的に期待しうるに足る期間なのであるから、右期間が経過した以上、右規定は憲法に違反するものといわざるをえないのであり、右期間経過後に行われる選挙の効力については、それが内閣の解散権の行使によるものであつても、法律上他の事由に基づく選挙と異なつた取扱いをすべき理由はない。
その結果として内閣の解散権が事実上制約されることが起こりうるとしても、それは事柄の性質上やむをえないことであり、以上とは逆に、内閣の解散権を確保するために違憲の選挙法規の効力をあえて承認するような法解釈をとることは、本末を転倒するものとのそしりを免れないであろう」 |
23 7 1 |
この判決は、内閣の解散権行使の前提として、衆議院での内閣不信任決議案の可決が必要的だ、という立場に立っている。 |
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23 7 3 |
この判決は、政治上の必要があれば、本件のような事案で内閣が解散権を行使しても総選挙は適法だ、という立場にたっている。 |
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23 7 5 |
この判決は、現時点ではすでに改正に必要な合理的期間を徒過しており、判例によれば当該議員定数配分規定は違憲だ、という立場にたっている。 |
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23 7 4 |
本件訴訟は、公職選挙法の定める選挙訴訟として行われているので、いわゆる機関訴訟の1形態と位置づけられるものである。 |
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23 7 2 |
内閣の解散権行使の結果行われた総選挙について、その無効を争う選挙訴訟は三審制であって、本件は控訴審判決である。 |
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参議院選挙の場合 |
16 3 5 |
「参議院議員の選挙については、人口比例主義も一定程度譲歩・後退させられる」とするのは、投票価値の平等に関する最高裁判所の判例の趣旨に適合している。 |
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26 5 4 |
投票価値の平等に関する判例によれば、「参議院議員選挙区選挙は、参議院に第二院としての独自性を発揮させることを期待して、参議院議員に都道府県代表としての地位を付与したものであるから、かかる仕組みのもとでは投票価値の平等の要求は譲歩・後退を免れない」(16-3-5の類型) |
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地 方 議 員 選 挙 |
26 5 5 |
地方公共団体の議会の議員の定数配分については、地方自治の本旨にもとづき各地方公共団体が地方の実情に応じ条例で定めることができるので、人口比例が基本的な基準として適用されるわけではない。 |
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両
性
の
平
等 |
5.家族生活における個人の尊厳と両性の平等(24条)
「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」
「同2項 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない」
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13 3 4 |
「24条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」は、憲法の前文の「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」とある中の「欠乏から免かれる権利」に対応する。 |
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28 7 5 |
父性の推定の重複を回避し父子関係をめぐる紛争を未然に防止するために、女性にのみ100日を超える再婚禁止期間を設けることは、立法目的との関係で合理性を欠き、憲法に違反する。 |
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令 元 4 4 |
厳密に父性の推定が重複することを回避するための期間(100日)を超えて女性の再婚を禁止する民法の規定は、婚姻および家族に関する事項について国会に認められる合理的な立法裁量の範囲を超え、憲法に違反するに至った。 |
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請
願
権 |
6.請願権(16条)
「何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない」 |
3
21
2 |
法律の制定に関し請願する権利は、日本国憲法上明文で規定されていない。 |
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17
5
3 |
日本国憲法は「両議院は、国民より提出された請願書を受けることができる」と定めるにとどまるが、いわゆる請願権を憲法上の権利と解するのが通説である。 |
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