行政書士講座(憲法) |
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2E |
日本国憲法 (人身の自由) |
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関連過去問 3-22-4、3-23-2、4-21-4 、4-23-1 、4-23-4 、4-23-5 、5-22-4 、7-25-5 、8-26-5 、12-5-3、14-5-4 、15-5-1 、15-5-2、15-5-3、15-5-4 、15-5-5 、17-3-3 、18-7-エ 、19-7-1 、19-7-2 、19-7-3 、19-7-4 、19-7-5 、22-3-ア 、22-3-オ、26-7-1、令元-6-5、令2-7ア、令2-7イ、令2-7ウ、令2-7エ、令2-7オ、令3-4-2、令3-4-5、令4-5-1、令4-5-2、令4-5-3、令4-5-4、令4-5-5 | |||
関連条文 奴隷的拘束及び苦役からの自由(18条)、生命及び自由の保障(法定手続きの保障)(31条)、裁判を受ける権利(32条)、逮捕に対する保障(33条)、抑留・拘禁に対する保障(34条)、住居侵入・捜索・押収に対する保障(35条)、拷問及び残虐な刑罰の禁止(36条)、刑事被告人の権利(37条)、自白強要の禁止と自白の証拠能力の限界(38条) 、遡及処罰の禁止・一事不再理(39条)、刑事補償(40条) | |||
1.奴隷的拘束及び苦役からの自由(18条) 「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。 又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない」 |
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4 21 4 |
何人も、いかなる奴隷的拘束も受けず、いかなる場合もその意に反する苦役に服させられない。(基礎) | ||
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22 3 オ |
憲法18条は、「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない」と定めるが、最高裁判例は、「公共の福祉」を理由とした例外を許容する立場を明らかにしている。(4-21-4の応用) | ||
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法 定 手 続 き の 保 障 |
2.生命及び自由の保障(法定手続きの保障)(31条) 「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない」 |
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17 3 3 |
「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命、自由若しくは財産を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない」には、日本国憲法の本来の条文に照らして誤りがある。 | ||
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19 7 1 |
憲法31条「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない」において、「法律の定める手続」とあるので、条例によって刑罰その他についての手続を定めることは、許されていない。 | ||
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26 7 1 |
刑罰の制定には法律の根拠が必要であるから、条例で罰則を定めるためには、その都度、法律による個別具体的な授権が必要である。 (19-7-1の類型) | ||
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19 7 2 |
憲法31条「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない」とあるが、日本国憲法は別に罪刑法定主義の条文をもっているので、本条においては、戦前にないがしろにされた刑事手続について、これを法律で定めることが要請されている。 | ||
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19 7 5 |
憲法31条「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない」とあるが、この条文は、ニューディール期のアメリカ連邦最高裁判所で猛威を振るった、手続的デュープロセス論を否定したものである。 | ||
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19 7 4 |
憲法31条「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない」とあるが、刑事手続については、ただ単にこれを法律で定めればよいと規定しているのではなく、その手続が適正なものであることを要求している。 | ||
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第 三 者 没 収 |
14 5 4 |
最高裁判所判例によれば、「第三者の所有物を没收する場合において、その没収に関して当該所有者に対し、何ら告知、弁解、防禦の機会を与えることなく、その所有物を奪ってはならない」としている。 | |
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令 2 7ア |
憲法訴訟における違憲性の主張適格が問題となった第三者没収に関する最高裁判所判決(最大判昭和37年11月28日刑集16巻11号1593頁)によれば、「第三者の所有物の没収は、所有物を没収される第三者にも告知、弁解、防禦の機会を与えることが必要であり、これなしに没収することは、適正な法律手続によらないで財産権を侵害することになる」としている。(14-5-4の類型) | ||
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令 4 5 1 |
適正手続に関する最高裁判所の判例に照らせば、「告知、弁解、防御の機会を与えることなく所有物を没収することは許されないが、貨物の密輸出で有罪となった被告人が、そうした手続的保障がないままに第三者の所有物が没収されたことを理由に、手続の違憲性を主張することはできない」(14-5-4の類型) | ||
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令 2 7イ |
憲法訴訟における違憲性の主張適格が問題となった第三者没収に関する最高裁判所判決(最大判昭和37年11月28日刑集16巻11号1593頁)によれば、「かかる没収の言渡を受けた被告人は、たとえ第三者の所有物に関する場合であっても、それが被告人に対する附加刑である以上、没収の裁判の違憲を理由として上告をすることができる」としている。 | ||
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令 2 7ウ |
憲法訴訟における違憲性の主張適格が問題となった第三者没収に関する最高裁判所判決(最大判昭和37年11月28日刑集16巻11号1593頁)によれば、「被告人としても、その物の占有権を剥奪され、これを使用・収益できない状態におかれ、所有権を剥奪された第三者から賠償請求権等を行使される危険に曝される等、利害関係を有することが明らかであるから、上告により救済を求めることができるものと解すべきである」としている。 | ||
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令 2 7エ |
憲法訴訟における違憲性の主張適格が問題となった第三者没収に関する最高裁判所判決(最大判昭和37年11月28日刑集16巻11号1593頁)によれば、「被告人自身は本件没収によって現実の具体的不利益を蒙ってはいないから、現実の具体的不利益を蒙っていない被告人の申立に基づき没収の違憲性に判断を加えることは、将来を予想した抽象的判断を下すものに外ならず、憲法81条が付与する違憲審査権の範囲を逸脱する」としている。
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令 2 7オ |
憲法訴訟における違憲性の主張適格が問題となった第三者没収に関する最高裁判所判決(最大判昭和37年11月28日刑集16巻11号1593頁)によれば、「刑事訴訟法では、被告人に対して言い渡される判決の直接の効力が被告人以外の第三者に及ぶことは認められていない以上、本件の没収の裁判によって第三者の所有権は侵害されていない」としている。 | ||
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行 政 手 続 等 へ の 適 用 |
19 7 3 |
憲法31条「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない」とあるが、この条文は刑事手続を念頭においており、行政手続などの非刑事手続については、その趣旨が適用されることはない。 | |
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令 元6 5 |
教科書検定制度の合憲性に関する最高裁判所の判例によれば、行政処分には、憲法31条による法定手続の保障が及ぶと解すべき場合があるにしても、行政手続は行政目的に応じて多種多様であるから、常に必ず行政処分の相手方に告知、弁解、防御の機会を与える必要はなく、教科書検定の手続は憲法31条に違反しない。 | ||
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裁判を受ける権利 | 裁判を受ける権利(32条) 「何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない」 |
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逮 捕 に 対 す る 保 障 ・ 令 状 主 義 |
3.1 逮捕に対する保障(33条) 「何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない」 |
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4 23 5 |
何人も、権限を有する司法官憲が発し、かつ理由となつている犯罪を明示する令状によらなければいかなる場合も逮捕されない。(基礎) | ||
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7 25 5 |
何人も、権限を有する司法官憲が発し、かつ理由となつている犯罪を明示する令状によらなければ、いかなる場合も逮捕されない。(4-23-5の類型) | ||
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15 5 1 |
何人も、権限を有する司法官憲が発し、かつ、理由となつている犯罪を明示する令状によらなければ、いかなる場合も逮捕されない。(4-23-5の類型) | ||
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抑留拘禁に対する保障 | 3.2
抑留・拘禁に対する保障(34条) 「何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない。 又、何人も、正当な理由がなければ、拘禁されず、要求があれば、その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない」 |
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4 23 1 |
何人も、正当な理由がなければ、拘禁されない。(基礎) | ||
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弁護人依頼権 | 令 4 5 2 |
適正手続に関する最高裁判所の判例に照らせば、「憲法は被疑者に対して弁護人に依頼する権利を保障するが、被疑者が弁護人と接見する機会の保障は捜査権の行使との間で合理的な調整に服さざるを得ないので、憲法は接見交通の機会までも実質的に保障するものとは言えない」(発展) | |
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抑留理由の開示 | 12 5 3 |
何人も、正当な理由がなければ拘禁されず、要求があれば、その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない。(基礎) | |
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15 5 2 |
何人も、正当な理由がなければ、拘禁されず、要求があれば、その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない。(12-5-3の類型) | ||
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18 7 エ |
何人も、正当な理由がなければ、拘禁されず、要求があれば、その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない。(12-5-3の類型) | ||
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住 居 侵 入 ・ 捜 索 ・ 押 収 |
4.住居侵入・捜索・押収に対する保障(35条) 「何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、33条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない」 「同2項 捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行ふ」 |
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8 26 5 |
何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、いかなる場合においても、正当な理由に基いて発せられ、かつ、捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。(基礎) | ||
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令 3 4 2 |
憲法は、住居、書類および所持品について侵入、捜索および押収を受けることのない権利を定めるが、その保障対象には、住居、書類および所持品に限らずこれらに準ずる私的領域に侵入されることのない権利が含まれる。(8-26-5の発展) | ||
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令 3 4 5 |
GPS端末を秘かに車両に装着する捜査手法は、車両使用者の行動を継続的・網羅的に把握するものであるが、公道上の所在を肉眼で把握したりカメラで撮影したりする手法と本質的に異ならず、憲法が保障する私的領域を侵害するものではない。(令3-4-2関連) | ||
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拷 問 及 び 残 虐 な 刑 罰 の 禁 止 |
5.1 拷問及び残虐な刑罰の禁止(36条) 「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる」 5.2 刑事被告人の権利(37条) 「すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する」 「同2項 刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する」 「同3項 刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する] 5.3 自白強要の禁止と自白の証拠能力の限界(38条) 「何人も、自己に不利益な供述を強要されない」 「同2項 強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない」 「同3項 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない」 |
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22 3 ア |
憲法36条は、「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる」と定めるが、最高裁判例は「公共の福祉」を理由とした例外を許容する立場を明らかにしている。 | ||
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刑 事 被 告 人 の 権 利 |
15 5 3 |
すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。 (基礎) | |
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令 4 5 3 |
適正手続に関する最高裁判所の判例に照らせば、「審理の著しい遅延の結果、迅速な裁判を受ける被告人の権利が害されたと認められる異常な事態が生じた場合であっても、法令上これに対処すべき具体的規定が存在しなければ、迅速な裁判を受ける権利を根拠に救済手段をとることはできない」 | ||
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3 23 2 |
刑事被告人は、公費で自己のために強制的手続きにより証人を求める権利を有する。(基礎) | ||
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自 白 強 要 の 禁 止と 自 白 証 拠 能 力 の 限 界 |
3 22 4 |
「何人も自己に不利益な供述を強要されないが、氏名は原則として不利益な事項には該当しない」とするのは、最高裁判所判例に照らして妥当である。(応用) | |
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令 4 5 4 |
適正手続に関する最高裁判所の判例に照らせば、「不利益供述の強要の禁止に関する憲法の保障は、純然たる刑事手続においてばかりだけでなく、それ以外にも、実質上、刑事責任追及のための資料の取得収集に直接結びつく作用を一般的に有する手続には、等しく及ぶ」 | ||
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15 5 4 |
強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。(基礎) | ||
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5 22 4 |
最高裁判所の判例によると、不当に長い抑留・拘禁後の自白は、その拘留・拘禁との間に因果関係が存しないことが明らかであっても、証拠とすることはできない。(15-5-4の応用) | ||
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一 事 不 再 理 |
6.遡及処罰の禁止・一事不再理(39条) 「何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。 又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない」 |
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4 23 4 |
何人も、実行の時に適法であつた行為については、刑事上の責任を問われない。(基礎) | ||
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令4 5 5 |
適正手続に関する最高裁判所の判例に照らせば、「不正な方法で課税を免れた行為について、これを犯罪として刑罰を科すだけでなく、追徴税(加算税)を併科することは、刑罰と追徴税の目的の違いを考慮したとしても、実質的な二重処罰にあたり許されない。 | ||
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刑 事 補 償 |
7.刑事補償(40条) 「何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる」 |
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15 5 5 |
何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその賠償を求めることができる」 | ||
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