行政書士講座(憲法) |
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2D | 日本国憲法(経済的自由) | ||
関連過去問 2-21-4、3-22-1、3-22-5、5-22-1、5-22-3、8-26-1、12-5-2、12-36 、13-3-2 、13-4-1、13-4-2、13-4-3、13-4-4 、13-4-5、14-7-ウ 、15-3 、18-22-2、21-4-ア、21-4-イ、21-4-ウ、21-4-エ、21-4-オ、26-4-1、26-4-2、26-4-3、26-4-4、26-4-5、29-4-1、29-4-2、29-4-3、29-4-4、29-4-5、令3-3-1、令3-3-2、令3-3-3、令3-3-4、令3-3-5、令4-4-1、令4-4-2、令4-4-3、令4-4-4,令4-4-5 | |||
関連条文 居住・移転・職業選択の自由、外国移住・国籍離脱の自由(22条)、財産権(29条) 、損失補償(29条3項) | |||
居 住 移 転 ・ 職 業 選 択 の 自 由 |
1.居住・移転・職業選択の自由、外国移住・国籍離脱の自由(22条) 「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する」 「同2項 何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない」 |
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13 3 2 |
「22条 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する」は、憲法の前文の「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する]とある中の「欠乏から免かれる権利」に対応する。 | ||
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15 3 |
次の憲法条文の例のうち、権利の保障のあり方について、4は他とは異なる考え方に基づくものである。 1 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。 2 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。 3 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。 4 日本国民は法律の範囲内において居住及び移転の自由を有する。 5 学問の自由は、これを保障する。 |
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13 4 1 |
大規模店舗を出店するにあたって、周辺の地域の生活環境に及ぼす悪影響を考慮して行う都道府県の勧告は、営業の自由を制限しているといえない。 | ||
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13 4 2 |
建築物の大規模な修繕をするにあたって、その計画が法規に適合するものであるかどうかを点検する、建築主事の確認は、営業の自由を制限しているといえない。 | ||
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13 4 3 |
官公署に提出する書類の作成を業として行なおうとする者に対して、行政書士試験等に合格することを求める資格制は、営業の自由を制限しているといえない。 | ||
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21 4 ウ |
職業選択と営業の自由に関連して、司法書士の業務独占については、登記制度が社全生活上の利益に重大な影響を及ぼすものであることなどを指摘して、合憲判決が出ている。(13-4-3の関連) | ||
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13 4 4 |
酒類の販売にも業態を拡大しようと企てるコンビニエンス・ストアに、あらかじめ酒類販売業免許の取得を要求する免許制は、営業の自由を制限しているといえない。 | ||
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21 4 オ |
職業選択と営業の自由に関連して、酒販免許制については、職業活動の内容や態様を規制する点で、許可制よりも厳しい規制であるため、適用違憲の判決が下された例がある。(13-4-4の関連) | ||
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3 22 5 |
公衆浴場法による適正配置規制は、その目的を達成するための必要かつ合理的な範囲内の手段と考えられるので、憲法第22条第1項に違反しない。 | ||
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13 4 5 |
ジェット・バスを売り物に新規に浴場を開設しようとする者に対して、既存の公衆浴場と隣接していることを理由に開設を許可しないとする距離制限は、営業の自由を制限しているといえない。 | ||
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21 4 エ |
職業選択と営業の自由に関連して、公衆浴場を開業する場合の適正配置規制については、健全で安定した浴場経営による国民の保健福祉の維持を理由として、合憲とされている。(13-4-5の関連) | ||
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14 7 ウ |
「新しく小売市場を開設しようとするものに対して、既存の小売市場との距離が接近していることを理由に、県知事がこれを不許可とするのは、違憲である」とする規制の態様は「事前抑制」に当たり、なおかつ、関連する最高裁判例の趣旨に合致している。 | ||
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21 4 イ |
職業選択と営業の自由に関連して、小売市場の開設経営を都道府県知事の許可にかからしめる法律については、中小企業保護を理由として、合憲判決が出ている。(14-7-ウの類型) | ||
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26 4 2 |
ある最高裁判例を要約すると、「憲法22条1項は、国民の基本的人権の一つとして、職業選択の自由を保障しており、そこで職業選択の自由を保障するというなかには、広く一般に、いわゆる営業の自由を保障する趣旨を包含しているものと解すべきであり、ひいては、憲法が、個人の自由な経済活動を基調とする経済体制を一応予定しているものということができる」といえる。 | ||
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26 4 3 |
ある最高裁判例を要約すると、「憲法は、個人の経済活動につき、その絶対かつ無制限の自由を保障する趣旨ではなく、各人は、「公共の福祉に反しない限り」において、その自由を享有することができるにとどまり、公共の福祉の要請に基づき、その自由に制限が加えられることのあることは、憲法22条1項自体の明示するところである」といえる。(26-4-2の続き) | ||
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26 4 5 |
ある最高裁判例を要約すると、「憲法22条1項に基づく個人の経済活動に対する法的規制は、個人の自由な経済活動からもたらされる諸々の弊害が社会公共の安全と秩序の維持の見地から看過することができないような場合に、消極的に、かような弊害を除去ないし緩和するために必要かつ合理的な規制である限りにおいてのみ許されるべきである」といえる。 (26-4-3の続き) | ||
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26 4 4 |
ある最高裁判例を要約すると、「憲法の他の条項をあわせ考察すると、憲法は、全体として、福祉国家的理想のもとに、社会経済の均衡のとれた調和的発展を企図しており、その見地から、すべての国民にいわゆる生存権を保障し、その一環として、国民の勤労権を保障する等、経済的劣位に立つ者に対する適切な保護政策を要請していることは明らかである」といえる。 (26-4-5の続き) | ||
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12 36 |
ある最高裁判決の一節について、( )に当てはまる最も適当な語句(漢字各2字)を記入しなさい。 一般に許可制は、単なる職業活動の内容及び態様に対する規制を超えて、狭義における職業の( A )の自由そのものに制約を課するもので、職業の自由に対する強力な制限であるから、その合憲性を肯定しうるためには、原則として、重要な公共の利益のために必要かつ合理的な措置であることを要し、また、それが社会政策ないしは経済政策上の( B )的な目的のための措置ではなく、自由な職業活動が社会公共に対してもたらす弊害を防止するための消極的、警察的措置である場合には、許可制に比べて職業の自由に対するよりゆるやかな制限である職業活動の内容および態様に対する規制によっては右の目的を十分に達成することができないと認められることを要するもの、というべきである。 |
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21 4 ア |
職業選択と営業の自由に関連して、医薬品の供給を資格制にすることについては、重要な公共の福祉のために必要かつ合理的な措置ではないとして、違憲判決が出ている。(12-36の応用) | ||
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2 21 4 |
薬局開設の許可基準として、薬局間の距離に制限を設けることは、公共の利益のために必要かつ合理的な制限とはいえず、違憲である。(21-4-アの類型) | ||
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26 4 1 |
ある最高裁判例を要約すると、「一般に、国民生活上不可欠な役務の提供の中には、当該役務のもつ高度の公共性にかんがみ、その適正な提供の確保のために、法令によって、提供すべき役務の内容及び対価等を厳格に規制するとともに、更に役務の提供自体を提供者に義務づける等のつよい規制を施す反面、これとの均衡上、役務提供者に対してある種の独占的地位を与え、その経営の安定をはかる措置がとられる場合がある」といえる。 | ||
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令和4年問題4 薬局を営むXは、インターネットを介した医薬品の通信販売を始めたが、法律は一定の種類の医薬品の販売については、薬剤師が対面で情報の提供および薬学的知見に基づく指導を行うことを求めている。 そこでXは、この法律の規定が違憲であり、この種の医薬品についてもネットで販売する権利が自らにあることを主張して出訴した。 この問題に関する最高裁判所の判決の趣旨として、妥当なものはどれか。 |
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令 4 4 1 |
憲法22条1項が保障するのは職業選択の自由のみであるが、職業活動の内容や態様に関する自由もまた、この規定の精神に照らして十分尊重に値する。後者に対する制約は、公共の福祉のために必要かつ合理的なものであることを要する。 | ||
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令 4 4 2 |
規制の合憲性を判断する際に問題となる種々の考慮要素を比較考量するのは、第一次的には立法府の権限と責務であり、規制措置の内容や必要性・合理性については、立法府の判断が合理的裁量の範囲にとどまる限り、裁判所はこれを尊重する。 | ||
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令 4 4 3 |
本件規制は、専らインターネットを介して販売を行う事業者にとっては職業選択の自由そのものに対する制限を意味するため、許可制の場合と同様にその必要性・合理性が厳格に審査されなければならない。 | ||
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令 4 4 4 |
本件規制は、国民の生命および健康に対する危険の防止という消極目的ないし警察目的のための規制措置であり、この場合は積極目的の場合と異なり、基本的人権への制約がより小さい他の手段では立法目的を達成できないことを要する。 | ||
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令 4 4 5 |
本件規制は、積極的な社会経済政策の一環として、社会経済の調和的発展を目的に設けられたものであり、この種の規制措置については、裁判所は立法府の政策的、技術的な裁量を尊重することを原則とする。 | ||
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外 国 移 住 等 の 自 由 |
12 5 2 |
何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。(基礎) | |
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3 22 1 |
「外国旅行の自由は、公共の福祉のためになされる合理的な制限に服する」とするのは、最高裁判所の判例に照らして妥当である。(12-5-2の発展) | ||
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5 22 1 |
最高裁判所の判例によると、外国人は、在留の権利ないし引き続き在留することを要求し得る権利を憲法上保障されている。(応用) | ||
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財 産 権 |
2.財産権(29条)
「財産権は、これを侵してはならない」 「同2項 財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める」 損失補償(29条3項) 「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる」 |
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8 26 1 |
私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用いることができる。(基礎) | ||
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18 22 2 |
「財産権の行使については国の法律によって統一的に規制しようとするのが憲法29条2項の趣旨であるから、条例による財産権規制は、法律の特別な授権がある場合に限られる」とするのは、法令および最高裁判所の判例に照らして妥当である。 | ||
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29 4 4 |
ため池の堤とうの使用規制を行う条例により、「ため池の堤とうを使用する財産上の権利を有する者は、ため池の破損、決かい等に因る災害を未然に防止するため、その財産権の行使を殆んど全面的に禁止される」ことになった事件についての最高裁判所判決によれば、「事柄によっては、国において法律で一律に定めることが困難または不適当なことがあり、その地方公共団体ごとに条例で定めることが容易かつ適切である」としている。(18-22-2の類型) | ||
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29 4 5 |
憲法29条2項は、財産権の内容を条例で定めることを禁じているが、その行使については条例で規制しても許される。(29-4-4の類型) | ||
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29 4 1 |
社会生活上のやむを得ない必要のゆえに、ため池の堤とうを使用する財産上の権利を有する者は何人も、条例による制約を受忍する責務を負うというべきである。(18-22-2の類型) | ||
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5 22 3 |
最高裁判所の判例によれば、災害を未然に防止するため、条例で補償なしに財産権の行使を制限することは、憲法に反する。(29-4-1の類型) | ||
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29 4 2 |
ため池の破損、決かいの原因となるため池の堤とうの使用行為は、憲法でも、民法でも適法な財産権の行使として保障されていない。(29-4-1の類型) | ||
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29 4 3 |
憲法、民法の保障する財産権の行使の埒外にある行為を条例をもって禁止、処罰しても憲法および法律に抵触またはこれを逸脱するものとはいえない。 (29-4-1の類型) | ||
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令 3 3 1 |
インフルエンザウイルス感染症まん延防止のため、政府の行政指導により集団的な予防接種が実施されたところ、それに伴う重篤な副反応により死亡したXの遺族が、国を相手取り損害賠償もしくは損失補償を請求する訴訟を提起した(予防接種と副反応の因果関係は確認済み)場合に、これまで裁判例や学説において主張された憲法解釈論の例に照らせば、 「予防接種に伴う特別な犠牲については、財産権の特別犠牲に比べて不利に扱う理由はなく、後者の法理を類推適用すべきである」 |
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令 3 3 5 |
インフルエンザウイルス感染症まん延防止のため、政府の行政指導により集団的な予防接種が実施されたところ、それに伴う重篤な副反応により死亡したXの遺族が、国を相手取り損害賠償もしくは損失補償を請求する訴訟を提起した(予防接種と副反応の因果関係は確認済み)場合に、これまで裁判例や学説において主張された憲法解釈論の例に照らせば、 「財産権の侵害に対して損失補償が出され得る以上、予防接種がひき起こした生命・身体への侵害についても同様に扱うのは当然である」 |
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令 3 3 2 |
インフルエンザウイルス感染症まん延防止のため、政府の行政指導により集団的な予防接種が実施されたところ、それに伴う重篤な副反応により死亡したXの遺族が、国を相手取り損害賠償もしくは損失補償を請求する訴訟を提起した(予防接種と副反応の因果関係は確認済み)場合に、これまで裁判例や学説において主張された憲法解釈論の例に照らせば、 「予防接種自体は、結果として違法だったとしても無過失である場合には、いわゆる谷間の問題であり、立法による解決が必要である」 |
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令 3 3 3 |
インフルエンザウイルス感染症まん延防止のため、政府の行政指導により集団的な予防接種が実施されたところ、それに伴う重篤な副反応により死亡したXの遺族が、国を相手取り損害賠償もしくは損失補償を請求する訴訟を提起した(予防接種と副反応の因果関係は確認済み)場合に、これまで裁判例や学説において主張された憲法解釈論の例に照らせば、 「予防接種に伴い、公共の利益のために、生命・身体に対する特別な犠牲を被った者は、人格的自律権の一環として、損失補償を請求できる」 |
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令 3 3 4 |
インフルエンザウイルス感染症まん延防止のため、政府の行政指導により集団的な予防接種が実施されたところ、それに伴う重篤な副反応により死亡したXの遺族が、国を相手取り損害賠償もしくは損失補償を請求する訴訟を提起した(予防接種と副反応の因果関係は確認済み)場合に、これまで裁判例や学説において主張された憲法解釈論の例に照らせば、 「予防接種による違法な結果について、過失を認定することは原理的に不可能なため、損害賠償を請求する余地はないというべきである」 |
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