行政書士講座(民法) |
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3C | 民 法 (所有権、共有、入会権・総有) | ||
関連過去問 3-28-1、3-28-2、3-28-3、3-28-4、3-28-5、6-28-1 、6-28-2 、6-28-3 、6-28-4 、6-28-5 、16-25-3、16-26-1 、16-26-2、16-26-3、16-26-4 、16-26-5、18-29-2 、18-29-3 、18-29-4 、18-29-5 、18-30-5 、20-33-ウ、22-29-ア 、22-29-イ 、22-29-ウ 、22-29-エ 、24-29-1 、24-29-2 、26-29-ア、26-29-イ、26-29-エ、27-29-1、27-29-2、27-29-3、27-29-4、27-29-5、28-29-ア、28-29-イ、28-29-ウ、28-29-エ、28-29-オ | |||
所 有 権 の 限 界 |
1.所有権の内容と範囲 所有権の内容(206条) 「所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する」 土地所有権の範囲(207条) 「土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ」 ⇒地上、地下に及ぶといっても法令の制限内での話であって、通常はその土地の利用に必要な範囲であって、溝、石垣、橋や浅い地下などに限られる。 |
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1.2 相隣関係
公道に至るための他の土地の通行権(210条) 「他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる」 「211条 前条の場合には、通行の場所及び方法は、同条の規定による通行権を有する者のために必要であり、かつ、他の土地のために損害が最も少ないものを選ばなければならない」 「同2項 前条の規定による通行権を有する者は、必要があるときは、通路を開設することができる」 「212条 210条の規定による通行権を有する者は、その通行する他の土地の損害に対して償金を支払わなければならない。 ただし、通路の開設のために生じた損害に対するものを除き、一年ごとにその償金を支払うことができる」 「213条 分割によって公道に通じない土地が生じたときは、その土地の所有者は、公道に至るため、他の分割者の所有地のみを通行することができる。この場合においては、償金を支払うことを要しない」 自然水流に対する妨害の禁止(214条) 「土地の所有者は、隣地から水が自然に流れて来るのを妨げてはならない」 雨水を隣地に注ぐ工作物の設置の禁止(218条) 「土地の所有者は、直接に雨水を隣地に注ぐ構造の屋根その他の工作物を設けてはならない」 境界標の設置(223条) 「土地の所有者は、隣地の所有者と共同の費用で、境界標を設けることができる」 ⇒境界標とは、土地の境の屈曲点に設置された標識のこと。 境界標の設置及び保存の費用(224条) 「境界標の設置及び保存の費用は、相隣者が等しい割合で負担する。 ただし、測量の費用は、その土地の広狭に応じて分担する」 囲障の設置(225条) 「二棟の建物がその所有者を異にし、かつ、その間に空地があるときは、各所有者は、他の所有者と共同の費用で、その境界に囲障を設けることができる」 「同2項 当事者間に協議が調わないときは、前項の囲障は、板塀又は竹垣その他これらに類する材料のものであって、かつ、高さ二メートルのものでなければならない」 囲障の設置及び保存の費用(226条) 「前条の囲障の設置及び保存の費用は、相隣者が等しい割合で負担する」 境界標等の共有の推定(229条) 「境界線上に設けた境界標、囲障、障壁、溝及び堀は、相隣者の共有に属するものと推定する」 竹木の枝の切除及び根の切取り(233条) 「隣地の竹木の枝が境界線を超えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる」 「2項 隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる」 境界線付近の建築の制限(234条) 「建物を築造するには、境界線から五十センチメートル以上の距離を保たなければならない」 「同2項 前項の規定に違反して建築をしようとする者があるときは、隣地の所有者は、その建築を中止させ、又は変更させることができる。ただし、建築に着手した時から一年を経過し、又はその建物が完成した後は、損害賠償の請求のみをすることができる」 「235条 境界線から一メートル未満の距離において他人の宅地を見通すことのできる窓又は縁側(ベランダを含む)を設ける者は、目隠しを付けなければならない」 「同2項 前項の距離は、窓又は縁側の最も隣地に近い点から垂直線によって境界線に至るまでを測定して算出する」 | |||
24 29 1 |
甲土地を所有するAは、甲土地に隣接するB所有の乙土地を通行している。甲土地が乙土地に囲まれて公道に通じていない場合、AがBに対して囲繞地通行権を主張するためには、Aは甲土地の所有権の登記を具備していなければならない。ここで、囲繞地通行権とは、民法210条1項に規定されている「他の土地に囲まれて公道に通じていない土地」の通行権のことをいう。(発展) | ||
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6 28 1 |
袋地の所有者は公道に出るためにその土地を囲んでいる他の土地を通行する権利を有し、必要があるときは、 自分の費用をもって、地ならしをしたり、砂利を敷くなどして、通路を開設することができる。(応用) | ||
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24 29 2 |
甲土地を所有するAは、甲土地に隣接するB所有の乙土地を通行している。 甲土地と乙土地は元々一筆の土地であったが、分筆によって他の土地に囲まれて公道に通じていない甲土地が生じ、これによりAが乙土地に対する無償の囲繞地通行権を有するに至った場合おいて、その後に乙土地がCに売却されたとしても、Aは当然にCに対してこの通行権を主張することができる。 ここで、囲繞地通行権とは、民法210条1項に規定されている「他の土地に囲まれて公道に通じていない土地」の通行権のことをいう。(6-28-1の発展) |
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27 29 5 |
Aは甲土地の所有者であって、その土地内にあるA所有の建物の屋根から雨水が直接にその隣地である乙土地に注がれる場合に、乙土地の所有者であるBは、その雨水が注がれることを受忍しなければならない。 | ||
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6 28 2 |
境界標の設置および保存の費用または測量の費用は、相隣者がそれぞれの土地の広狭に応じて負担する。(基礎) | ||
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27 29 4 |
AおよびBが甲土地およびその隣地である乙土地を所有する前から甲土地と乙土地の境界に設けられていた障壁は、AとBの共有に属するものと推定されるが、その保存の費用は、A・B間に別段の約定がない限り、AとBが、甲土地と乙土地の面積の割合に応じて負担する。(6-28-2の応用) | ||
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6 28 5 |
隣地の竹木の根や枝が境界を越えて侵入してきたときは、相隣者はこれを自分で切り取ることができる。(基礎) | ||
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27 29 2 |
甲土地に所在するAの竹木の枝が境界線を越えてその隣地の乙土地に侵入した場合に、隣地を所有するBは、自らその枝を切除することができる。(6-28-5の類型) | ||
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27 29 3 |
甲土地に所在するAの竹木の根が境界線を越えてその隣地の乙土地に侵入した場合に、隣地を所有するBは、その根を切除することはできず、Aにその根を切除させなければならない(6-28-5の類型) | ||
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27 29 1 |
甲土地を所有するAは、境界線から1メートル未満の距離においてその隣地の乙土地を見通すことができる窓または縁側(ベランダも含む)を設けることができるが、その場合には、目隠しを付さなければならない。 この場合、その距離は、窓または縁側の最も隣地に近い点から垂直線によって境界線に至るまでを測定して算出する。 |
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所 有 権 の 取 得 |
2.所有権の取得 無主物の帰属(239条) 「所有者のない動産は、所有の意思をもって占有することによって、その所有権を取得する」 「2項 所有者のない不動産は、国庫に帰属する」 遺失物の拾得(240条) 「遺失物は、遺失物法の定めるところに従い公告をした後三箇月以内にその所有者が判明しないときは、これを拾得した者がその所有権を取得する」 ⇒H19.12.10より、6か月が3か月に 埋蔵物の発見(241条) 「埋蔵物は、遺失物法の定めるところに従い公告をした後六箇月以内にその所有者が判明しないときは、これを発見した者がその所有権を取得する。ただし、他人の所有する物の中から発見された埋蔵物については、これを発見した者及びその他人が等しい割合でその所有権を取得する」 2.2 添付(付合、混和、加工) 不動産の付合(242条) 「不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得する。ただし、権原によってその物を附属させた他人の権利を妨げない」 ⇒付合とは物と物が結びついて事実上一つの物になっしまい、切り離すことが困難になったことをいう。 たとえば、 建物の付合物:雨戸、入り口の扉、増築部分など 土地の付合物:植木、とりはずしが困難な庭石など 動産の付合(243条) 「所有者を異にする数個の動産が、付合により、損傷しなければ分離することができなくなったときは、その合成物の所有権は、主たる動産の所有者に帰属する。分離するのに過分の費用を要するときも、同様とする」 動産の付合による共有(244条) 「付合した動産について主従の区別をすることができないときは、各動産の所有者は、その付合の時における価格の割合に応じてその合成物を共有する」 混和(245条) 「前二条の規定は、所有者を異にする物が混和して識別することができなくなった場合について準用する」 加工(246条) 「他人の動産に工作を加えた者(加工者)があるときは、その加工物の所有権は、材料の所有者に帰属する。ただし、工作によって生じた価格が材料の価格を著しく超えるときは、加工者がその加工物の所有権を取得する」 「2項 前項に規定する場合において、加工者が材料の一部を供したときは、その価格に工作によって生じた価格を加えたものが他人の材料の価格を超えるときに限り、加工者がその加工物の所有権を取得する」 |
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16 25 3
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Aの所有する土地の上に、Aの所有する建物がある場合において、Aは、土地の所有権を自己に留保したまま、建物だけをBに売却することはできない。 | ||
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6 28 4 |
所有者のない動産または不動産を、所有の意思をもって占有した者は、その所有権を得ることができる。(基礎) | ||
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18 29 5 |
Aは、所有者のいない動産を所有の意思をもって占有を始めた場合に、その動産の所有権を取得する。(6-28-4の類型) | ||
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18 29 4 |
Bの所有する動産がAの所有する不動産に従として付合した場合に、AとBは、AとBとの取決めに関係なく、Aの不動産の価格とBの動産の価格の割合に応じてその合成物を共有する。 | ||
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18 29 2 |
Aの所有する動産とBの所有する動産が付合して分離することが不可能になった場合において、両動産について主従の区別をすることができないときには、AとBは、当然に相等しい割合でその合成物を共有するものとみなす。 | ||
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18 29 3 |
BがAの所持する材料に工作を加えて椅子を完成させた場合に、その椅子の所有権は、AとBとの取決めに関係なく、Aに帰属する。 | ||
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共 有 |
3.共有 共有持分の割合の推定(250条) 「各共有者の持分は、相等しいものと推定する」 共有物についての債権(254条) 「共有者の一人が共有物について他の共有者に対して有する債権は、その特定承継人に対しても行使することができる。 持分の放棄及び共有者の死亡(255条) 「共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する」 |
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3 28 4 |
共有者の1人がその持分を放棄したときは、その持分は無主物として国庫に帰属する。 (基礎) | ||
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28 29 オ |
A、BおよびCが甲土地を共有し、甲土地上には乙建物があって、A、BおよびCが乙建物を共有する場合において、Aが死亡して相続人が存在しないときは、Aの甲土地および乙建物の持分は、BおよびCに帰属する。 (基礎) | ||
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26 29 エ |
A、BおよびCは費用を出し合って、別荘地である甲土地および同地上に建造された乙建物を購入し、持分割合を均等として共有名義での所有権移転登記を行った。このうち、Cには相続人となるべき者はなく、内縁の妻Eと共に生活していたところ、Cが死亡した。この場合、甲土地および乙建物にかかるCの持分は、特別縁故者に当たるEに分与されないことが確定した後でなければ、他の共有者であるAおよびBに帰属しない。(発展) | ||
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共 有 物 の 使 用 ・ 管 理 ・ 処 分 等 |
共有物の使用・管理・処分等
共有物の使用(249条) 「各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる」 ⇒各共有者は共有物全体を使用することができるが、その頻度や方法については、自分の持分に応じた制約がある。 ⇒各共有者は持分の範囲内であれば、自由に処分行為(譲渡、賃貸、持分放棄など)や分割の請求ができる。 ⇒結果として、共有物全体の処分行為(譲渡、賃貸、抵当権の設定など)をする場合は、全員の合意がいる。 共有物の変更(251条) 「各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない」 ⇒変更行為(農地の宅地への変換、伐採、家屋の増改築など共有物全体にかかわる行為)をする場合は、全員の合意がいる。 共有物の管理(252条) 「共有物の管理に関する事項は、前条の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる」 ⇒管理行為(共有物全体の賃貸、利用方法の取決めなど)をする場合は、各自の持分比率を考慮した過半数の合意がいる。 ⇒保存行為(修繕、不法占拠者への妨害排除請求など)は各自が自由にできる。 共有物に関する負担(253条) 「各共有者は、その持分に応じ、管理の費用を支払い、その他共有物に関する負担を負う」 「2項 共有者が一年以内に前項の義務を履行しないときは、他の共有者は、相当の償金を支払ってその者の持分を取得することができる」 共有物の分割請求(256条) 「各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。 ただし、五年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない」 「2項 前項ただし書の契約は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から五年を超えることができない」 裁判による共有物の分割(258条) 「共有物の分割について共有者間に協議が調わないときは、その分割を裁判所に請求することができる」 「2項 前項の場合において、共有物の現物を分割することができないとき、又は分割によってその価格を著しく減少させるおそれがあるときは、裁判所は、その競売を命ずることができる」 共有物の分割への参加(260条) 「共有物について権利を有する者及び各共有者の債権者は、自己の費用で、分割に参加することができる」 「2項 前項の規定による参加の請求があったにもかかわらず、その請求をした者を参加させないで分割をしたときは、その分割は、その請求をした者に対抗することができない」 |
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3 28 1 |
各共有者は、共有物に対してその持分に応じた部分についてのみ使用することができる。(基礎) | ||
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20 33 ウ |
A、B、C三人がDから自動車1台を購入する契約をし、その売買代金として300万円の債務を負っている場合、購入した自動車がA、B、C三人の共有となった場合には、Aは、自動車の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。(3-28-1の類型) | ||
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6 28 3 |
各共有者は、他の所有者の同意なしに、自己の持分権を第三者に譲渡することはできない。(20-33-ウの応用) | ||
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28 29 イ |
A、BおよびCが甲土地を共有し、甲土地上には乙建物が存在している。この場合において、Eが、A、BおよびCが共有する乙建物をAの承諾のもとに賃借して居住し、甲土地を占有使用する場合、BおよびCは、Eに対し当然には乙建物の明渡しを請求することはできない。 | ||
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3 28 2 |
各共有者は、単独で共有物の保存行為をなすことができる。 (基礎) | ||
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28 29 ア |
A、BおよびCが甲土地を共有し、甲土地上には乙建物が存在している。この場合において、DがA、BおよびCに無断で甲土地上に乙建物を建てて甲土地を占有使用している場合、Aは、Dに対し、単独で建物の収去および土地の明渡しならびに土地の占拠により生じた損害全額の賠償を求めることができる。(3-28-2の発展) |
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26 29 イ |
A、BおよびCは費用を出し合って、別荘地である甲土地および同地上に建造された乙建物を購入し、持分割合を均等として共有名義での所有権移転登記を行った。Cが甲土地および乙建物にかかる自己の持分をDに譲渡し、その旨の登記がなされたが、CD間の譲渡契約は錯誤により無効であった。この場合、AおよびBは、自己の持分が害されているわけではないので、単独でDに対してCD間の移転登記の抹消を求めることはできない。(3-28-2の応用) | ||
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3 28 3 |
各共有者は、その持分にかかわらず、均等に共有物の管理費を負担する。 (基礎) | ||
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26 29 ア |
A、BおよびCは費用を出し合って、別荘地である甲土地および同地上に建造された乙建物を購入し、持分割合を均等として共有名義での所有権移転登記を行った。甲土地および乙建物にかかる管理費用について、AおよびBはそれぞれの負担部分を支払ったが、資産状況が悪化したCはその負担に応じないため、AおよびBが折半してCの負担部分を支払った。この場合、Cが負担に応ずべき時から1年以内に負担に応じない場合には、AおよびBは、相当の償金を支払ってCの持分を取得することができる。(3-28-3の応用) | ||
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共 有 物 の 分 割 |
3 28 5 |
各共有者は、特約の有無にかかわらず、いつでも共有物の分割を請求することができる。(基礎) | |
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18 30 5 |
Aは、B所有の甲土地について地上権の設定を受けて、同土地上に乙建物を建築した。 その後、Aが死亡し、Aの相続人CおよびDが遺産分割により乙建物を共有することになった場合において、CおよびDは、相互に5年間は乙建物の分割を請求することはできない。(3-38-5の類型) |
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22 29 ア |
A・B・Cの3人が、甲土地、乙土地、丙土地のすべてについて、どれも3分の1ずつの持分権をもって共有している場合、各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができるから、たとえA・B・Cの間で5年間の共有物分割禁止の契約があった場合でも同契約は無効であり、Aは、BおよびCに対して甲土地、乙土地および丙土地の分割を請求することができる。(3-38-5の類型) | ||
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22 29 イ |
A・B・Cの3人が、甲土地、乙土地、丙土地のすべてについて、どれも3分の1ずつの持分権をもって共有している場合、AがBおよびCに対して、甲土地、乙土地および丙土地の分割を請求した場合において、裁判所は、これらを一括して分割の対象としてAが甲土地、Bが乙土地、Cが丙土地というように各土地を単独所有とする分割方法をとることができる。 | ||
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22 29 ウ |
A・B・Cの3人が、甲土地、乙土地、丙土地のすべてについて、どれも3分の1ずつの持分権をもって共有している場合、AがBおよびCに対して、甲土地、乙土地および丙土地の分割を請求した場合において、裁判所は、乙土地および丙土地については共有関係を解消せず、Aに対してのみAの持分権に相当する甲土地を取得させ、乙土地および丙土地はBとCの共有として残すとする分割方法をとることができる。 | ||
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22 29 エ |
A・B・Cの3人が、甲土地、乙土地、丙土地のすべてについて、どれも3分の1ずつの持分権をもって共有している場合、AがBおよびCに対して、甲土地、乙土地および丙土地の分割を請求した場合において、裁判所は、Aの申立てがあれば、甲土地、乙土地および丙土地をAの単独所有とし、BおよびCに対してAから各自の持分権の価格を賠償させる方法をとらなければならない。 | ||
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28 29 エ |
A、BおよびCが甲土地を共有し、甲土地上には乙建物が存在している。この場合において、Aが乙建物を所有し居住している場合において、Aが、BおよびCに対して甲土地の分割請求をしたときは、甲土地をAに単独所有させ、Aが、BおよびCに対して持分に相当する価格の賠償を支払う、いわゆる全面的価額賠償の方法によって分割しなければならない。(22-29-エの類型) | ||
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28 29 ウ |
A、BおよびCが甲土地を共有し、甲土地上には乙建物が存在している。この場合において、Fが賃借権に基づいて甲土地上に乙建物を建てた場合において、A、BおよびCが甲土地の分割協議を行うとするときは、Fに対して分割協議を行う旨を通知しなければならず、通知をしないときは、A、BおよびCの間でなされた分割の合意は、Fに対抗することができない。 | ||
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入 会 権 ・ 総 有 |
4.入会権・総有 4.1 共有の性質を有する入会権(263条) 「共有の性質を有する入会権については、各地方の慣習に従うほか、共有の規定を適用する」 4.2 共有の性質を有しない入会権(294条) 「共有の性質を有しない入会権については、各地方の慣習に従うほか、地役権の規定を準用する」 入会権とは、山や野原からまきや草を入手する権利として、先祖代々からの受け継がれているもの。 その山や野原が、利用する人たちの共有財産であれば263条が、所有権は別の人にあり使用権だけが認められている場合は294条が適用されることにはなっている。 しかし、いずれの条文にもあるように「地方の慣習に従う」場合は、総有状態にあり、共有や地役権の規定が適用される状態にはないといわれている。 |
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16 26 1 |
甲地について、複数の者が、民法上の共有(民法第249条以下)として共同所有している場合、甲地の共同所有者は、自己の持分を自由に譲渡することができるが、共有の性質を有する入会権(民法第263条)を有するものとして共同所有している場合には、持分の譲渡については共同所有者の属する入会集団の許可を得なければならない。 | ||
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16 26 2 |
甲地について、複数の者が、民法上の共有(民法第249条以下)として共同所有している場合には、甲地の管理について、各共同所有者の持分の価格に従い過半数で決するが、共有の性質を有する入会権(民法第263条)を有するものとして共同所有している場合には、甲地の管理について、共同所有者の4分の3以上の多数により決する。 | ||
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16 26 3 |
甲地について、複数の者が、民法上の共有(民法第249条以下)として共同所有している場合)も、共有の性質を有する入会権(民法第263条)を有するものとして共同所有している場合も、甲地の分割について他の共同所有者全員の同意があるときのみこれを行うことができる。 | ||
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16 26 4 |
甲地について、複数の者が、民法上の共有(民法第249条以下)として共同所有している場合)も、共有の性質を有する入会権(民法第263条)を有するものとして共同所有している場合も、共同所有者全員の合意によって甲地を第三者に売却することができる。 | ||
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16 26 5 |
甲地について、複数の者が、民法上の共有(民法第249条以下)として共同所有している場合)も、共有の性質を有する入会権(民法第263条)を有するものとして共同所有している場合も、甲地の所有権は、各共同所有者にその持分に応じて帰属する。 | ||
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